仏老舗百貨店BHVを保有する不動産開発および商業施設運営会社のソシエテ・デ・グラン・マガザン(SOCIETE DES GRANDS MAGASINS以下、SGM)は6月16日、パリにあるマレ旗艦店の経営陣による同店の買収案に同意したことを明らかにした。金額は非公開。
新たにオーナーとなる買収チームには、同店の最高経営責任者(CEO)を務めるカール・ステファン・コッタンディン(Karl-Stephane Cottendin)SGMジェネラル・マネージャーを中心に、マーケティング・ディレクター、アーティスティック・ディレクター、人事担当ディレクターらが参画。多くの従業員の賛同を得て、今回の買収案をSGMに提示したという。
SGMのフレデリック・メルラン(Frederic Merlin)CEOは、「マレ店の経営陣による買収案は、確かなビジョンと店舗の知識に基づいた説得力のあるものだ。当社は、引き続き保有する百貨店やショッピングセンターの運営に尽力していく」と述べた。
BHVマレ店は世界で初めて「シーイン」を常設
BHVは、1856年にパリで創業。時代の流れとともに紆余曲折があり、1989年から91年までは仏百貨店ヌーベル・ギャルリー(NOUVELLES GALERIES)が保有。91年からは、ヌーベル・ギャルリーを買収した仏百貨店ギャラリー・ラファイエット(GALERIES LAFAYETTE)の傘下となった。その後、BHVは経営難に陥り、23年にSGMが買収。25年11月には、再建策の一環として、ウルトラ・ファストファッション「シーイン(SHEIN)」の世界初の常設店をBHVマレ店内にオープンした。
同ブランドは豊富な商品ラインアップを圧倒的な低価格で販売し若年層を中心に人気を集める一方で、著作権侵害などによる訴訟トラブルをいくつも抱え、サプライチェーンにおける劣悪な労働環境への懸念が絶えない。常設店のオープンと前後し、同ブランドが「児童に類似する性人形」を販売していた疑いで司法当局が捜査を進めていたこともあり、マレ店の外には数百人規模の抗議デモが発生。「アニエスベー(AGNES B.)」「アー・ペー・セー(A.P.C.)」「フィガレ(FIGARET)」「リヴドロワ(RIVE DROITE)」などのブランドが相次いでBHVからの撤退を表明した。
一方で、「シーイン」の出店を歓迎する消費者も多い。オープン当日には長蛇の列ができ、その後も人気は続いている。26年3月には、BHVのパリ郊外にある5店舗にも常設店をオープンする計画が進んでいることが報じられた。なお、これらの地方店はかつてギャラリー・ラファイエット名義で運営されていたが、「シーイン」の出店をめぐりSGMとの提携を解消したため、名称変更となっている。
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