ファッション
【特集】2026-27年秋冬東京コレクション

東コレ初参加「エンフォルド」 いびつな形が描写する“縛られないエレガンス”

植田みずきデザイナーが手掛ける「エンフォルド(ENFOLD)」は3月16日、「楽天ファッション・ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO、以下RFWT)」で2026-27年秋冬コレクションを発表した。セカンドブランド「ナゴンスタンス(NAGONSTANS)」に続き、「エンフォルド」としては今回が「RFWT」初参加。植田デザイナーは2ブランドでショーを披露する形となった。

「もし彫刻が意思を持ち、呼吸し、形を変えたら」――そんな想像から今シーズンは始まった。テーマは「Living Sculpture」。彫刻家のコンスタンティン・ブランクーシ(Constantin Brancusi)の洗練されたフォルムや、芸術家マーク・マンダース(Mark Manders)による未完成に宿る緊張感、イサム・ノグチ(Isamu Noguchi)の空間と対話する作品への姿勢などに着想を得て、形に命を吹き込んだようなコレクションを披露した。

会場はアール・デコ建築と緑豊かな庭園で知られる東京都庭園美術館。敷地内のうねる小径をランウエイと化した。来場者にはヘッドホンが配られ、ショーはヒールの足音から始まり、フクロウの鳴き声、クラシック音楽などさまざまな“音”を展開し、その違和感もコレクションの一部とした。

2スタイルで現代女性のリアリティーを表現

ファーストルックは、ブランド名の由来である「包む」を象徴するように大きく円を描いたコート。モノトーンで引き締めた「エンフォルド」らしいミニマルなスタイルで幕を開けた。その後も、大胆なカッティングや表情豊かな素材使い、独特のカラーリングが目を引く。木材の表面を思わせるフリンジをたっぷりあしらったミニドレスや砂壁のようなマットな質感のコート、木を想起させるメルトン素材のビッグシルエットのセットアップなど、自然物から着想を得たテキスタイルが豊かなテクスチャーと温かみをもたらした。

植田デザイナーが「フォルムを見てほしかった」と語るように、唐突に膨らむディテールや極端なシルエットにはスカルプチュラルな要素が際立つ。部分的に膨れ上がったスカートや異素材を組み合わせた花器のようなシルエットのトップスとスカート、袖とデコルテ周りのみを覆うトップスなど、アート的な自由な発想が同ブランドの構築的なアプローチと結びつき、新たなフォルムを完成させた。ボタンをあえてアンバランスに留めたカーディガンや無造作に巻き付けたマフラー、ネオンカラーのパンプスもスタイリングにリズムを与えている。

「エンフォルド」は2011年のスタート以来、“縛られないエレガンス”を探求してきた。「こうありたい」という価値観からコレクションを構築する姿勢は今季も変わらず、「彫刻は動かない」という固定観念を覆す発想を服として具現化した。ショー中盤には、モノトーンやグレーを基調にしたボタンアップシャツやレイヤードを楽しむボックス型のジャケット、オーバーサイズのハンサムなトレンチコートといったテーラードルックも登場。「2つのスタイルを交差させたことで、都市の中での自分らしさやそのスタイルを更新し続ける『エンフォルド』の新しい女性像のリアリティーを伝えられたのではと思う」。

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