
秋冬シーズンの軽やかなムードは主流となってきた。スエットにフリース、ネオプレン、カギ編みニット。そしてカットソーの重ね着などのスタイリング技で、このシーズンの新たな装いを提案する。また、けば立たせたり、装飾をプラスしたり、1枚でも季節を感じさせるようなアイデアが随所に光る。色は「ナゴンスタンス(NAGONSTANS)」のペールトーンや「コトハヨコザワ(KOTOHAYOKOZAWA)」のビビッドな色合いが視線を集めた。白でも柔らかなオフホワイトやグレージュが多かった。(この記事は「WWDJAPAN」2026年3月30日号からの抜粋です)
「コトハヨコザワ(KOTOHAYOKOZAWA)」
DESIGNER/横澤琴葉
異国の旅先にいるような
ときめきを日常に
最新の秋冬コレクションに、春夏含むアーカイブピースを組み合わせた。横澤デザイナーが住む西新宿に出張や旅行で訪れる人たちの姿から、拠点を離れた場での高揚感に思いをはせた。その気分をポップな色合わせに加え、季節感やジェンダーも気に留めない自由なスタイリングで表現した。旅行時特有の選択肢の限られた服で組み合わせるチグハグ感も着想源とし、会場に配置したループや車、ヤシの木などで、どことも言えない“異国ムード”を漂わせた。
「ナゴンスタンス(NAGONSTANS)」
DESIGNER/植田みずき
アイスランドの大自然や動物、ウインタースポーツに着想を得た。銀世界の澄んだ空気を移すような彩度の低いアースカラーで構成。ベージュの柔らかなフリースやアイストーンのスエットは、ホッケーユニホームのようなビッグシルエットで描く。スキーウエアのようなボリュームパンツも足首を絞り、プロポーションに強弱をつける。氷のような透明感のあるナイロンジャケットやまばゆいホログラムのジャケットは、ステートメントピースになった。
「オダカ(ODAKHA)」
DESIGNER/小髙真理
今季のテーマは「still life」。静物画を意味する言葉だが、小高デザイナーはこれを「動く前の状態」と解釈し、目に見えない変化を、体との関係の中で形を変えていくニットの特性に重ねた。赤いタータンチェックのドレスは、スコットランドで目にした伝統柄を解体し、ニットジャカードとして立体的に編み上げた。ホールガーメントで編んだカットスリーブのドレスにハンドニットを重ねるなど、“軽やかなニット”という提案も見せた。ラベンダーなどで柔らかな印象に。
「ヨシオクボ(YOSHIOKUBO)」
DESIGNER/久保嘉男
ランニングを日常に取り入れる人が増える今、ファッションを意識して走る人が増えてもいいという思いから、ランニングウエアの可能性を追求した。機能性を鑑みた軽素材のウエアやバッグが登場する中で、ワンピースやセットアップで自由で楽しい装いを提案。ランナーが一斉に走り出す写真をモチーフにした柄やフロッキー加工素材を採用し、遊び心をちりばめた。フィナーレではモデルたちが実際にランウエイを走り、テーマをまっすぐ表現した。
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「タエアシダ(TAE ASHIDA)」や「カカン(KAKAN)」はモノトーンを基調に、シルクやシフォンを用いたドレスライクでシックなスタイルを提案。一方で、「ユウショウコバヤシ(YUSHOKOBAYASHI)」はふんわりとしたハンドニットのミックス、「ペイデフェ(PAYS DES FEES)」はミニ丈のカラフルなツイード、「ユェチ・チ(YUEQI QI)」はグラフィカルに落とし込んだノルディック柄のパファージャケット、「タナカダイスケ(TANAKADAISUKE)」は花モチーフをちりばめたフリースのハーフジップなど、秋冬らしい素材と独自の色使いで存在感を放った。