
日本のデザイナーは常に世界へ目を向けている。ただ、現代において立ちはだかる壁は多い。AIの進化やSNSとの関係、材料費や輸送コストの高騰、国内の産地や職人の減少、そして戦争。トレンドの移り変わりや華やかさも求められるマーケットの中で、東京ファッションをリードするデザイナーたちは業界に憧れを抱き、多くの経験を積みながら、自らの表現と向き合ってきた。(この記事は「WWDJAPAN」2026年3月30日号からの抜粋です)
ショーをする意味を再定義
今シーズンは海外へのデリバリーを背景に、「楽天ファッション・ウィーク東京(以下、RFWT)」で実績を積んできた多くのブランドが、公式スケジュール(3月16〜21日)に先駆け、約1カ月前に独自のショーやプレゼンテーションを行う動きが見られた。が、前シーズンからフィジカル発表のみとする「RFWT」含め、会場や演出を含めたコレクションの見せ方の工夫を通じて、ブランドの世界観やデザイナーのメッセージを伝える重要な場として、ショーがあらためて位置付けられている。「ヨシオクボ(YOSHIO KUBO)」の久保嘉男デザイナーは、これまでのエンターテインメント性やパフォーマンス性を抑え、服そのものに焦点を当てたシンプルなランウエイを提示。「ナゴンスタンス(NAGONSTANS)」と「エンフォルド(ENFOLD)」を手掛ける植田みずきデザイナーは2ブランドで参加し、「それぞれの違いを明確に見せることができた」と手応えを語る。平和を祈る岡﨑龍之祐デザイナーによる「リュウノスケオカザキ(RYUNOSUKEOKAZAKI)」は、人の感情に寄り添った新たな創造性を開拓。「何かできるわけではないが、自分たちができることをやり抜く」と4年ぶりのショーで語った。
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