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「ザラ」の親会社インディテックス、25年は3%増収と堅調 中東情勢の影響は「限定的」とCEO

ザラ(ZARA)」や「ベルシュカ(BERSHKA)」などを擁するインディテックス(INDITEX)の2026年1月期決算は、売上高が前期比3.2%増の398億6400万ユーロ(約7兆2552億円)、EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は同5.0%増の112億6700万ユーロ(約2兆505億円)、純利益は同5.8%増の62億2000万ユーロ(約1兆1320億円)だった。

ブランド別での売上高は、主力の「ザラ」(「ザラ ホーム(ZARA HOME)」を含む)が同1.0%増の280億5100万ユーロ(約5兆1052億円)だった。同6.6%増だった25年1月期と比べ減速している。「ベルシュカ」は同12.2%増の32億8600万ユーロ(約5980億円)、「プル&ベアー(PULL & BEAR)」は同3.1%増の25億4600万ユーロ(約4633億円)、「ストラディバリウス(STRADIVARIUS)」は同12.7%増の30億200万ユーロ(約5463億円)、「マッシモ・ドゥッティ(MASSIMO DUTTI)」は同3.0%増の20億1900万ユーロ(約3674億円)、「オイショ(OYSHO)」は同15.1%増の9億6000万ユーロ(約1747億円)だった。

地域別での売り上げの割合は、本拠地であるスペインが15.9%、欧州(スペインを除く)は51.3%といずれも前年から微増。その分、南北アメリカは17.8%、アジアおよびその他の地域は15.0%と微減だった。

中東情勢の「売り上げへの影響は限定的」

オスカー・ガルシア・マセイラス(Oscar Garcia Maceiras)最高経営責任者(CEO)は、アナリスト向けの決算説明会で、「25年も、大勢の顧客の信頼にしっかりと応えられる当社のチームの実力を反映した業績となった。顧客とつながり、その要求を理解し、最適な商品と他社では得られない体験を提供することが、当社の長期的な成長予測を支えている」と語った。

同氏はまた、中東情勢の影響について、「同地域で臨時休業している店舗もあるものの、大半は営業を続けており、売り上げへの影響は限定的だ」と説明。リードタイムを短縮するべく、以前からサプライチェーンを欧州に近い地域にシフトしていたことが奏功し、地政学上の先行き不透明感が増す中でも調達や製造は比較的安定しているという。同氏は「輸送費の推移や為替市場の動きなども注視しているが、当社のサプライチェーンやロジスティクスには高い柔軟性があり、状況の変化に応じて迅速に対応できる」と補足した。

なお、全体として26年度は順調な滑り出しとなっており、春物が好調だった2月1日~3月8日の売り上げは現地通貨ベースで前年同期比9%増だった。

「ザラ」の減速はブランドの高級化も一因?

前述のとおり「ザラ」の成長率は一時に比べ減速しているが、マセイラスCEOは、これをブランドポジショニングの引き上げ(高級化)やそれに伴う値上げによるものとする見方を否定。「『ザラ』は過去4年で80億ユーロ(約1兆4560億円)以上の増収、すなわち44%以上の成長率となっている。グループの稼ぎ頭であると同時に、ファッション領域を超えた影響力があり、カルチャーとの親和性も高い」と述べた。

なお、インディテックスはここ数年、販売網の統廃合や物流施設の改善などに重点的に投資してきたが、それが一段落したため、今後はAIを含むテクノロジーのさらなる強化に取り組むという。「ザラ」は26年1月、AIを活用したバーチャル試着アプリを発表。現在は43市場で展開し、700万以上のユーザーが利用している。

「ザラ」の高級化に対するアナリストの見解

英投資関連サービス会社サードブリッジ(THIRD BRIDGE)のヤンメイ・タン(Yanmei Tang)=シニア・アナリストは、「『ザラ』は価格競争からの脱却および『シーイン(SHEIN)』などの超低価格ファストファッションとの差別化のためブランドの高級化に取り組んでおり、ファッションブランドとしての信頼性、ストーリーテリング、店舗での買い物体験の向上に注力している。ハイブランドが値上げによる顧客離れに苦しむ中、そうしたブランドより手頃な価格で高いデザイン性と品質を提供するという戦略は効果的だ」と分析した。

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