
世界からメディアやバイヤー、コンテンツクリエイターの参加も増え、国際的な注目度と存在感を高めるベルリン・ファッション・ウイーク(BFW)。1月30日〜2月2日に開催された2026-27年秋冬シーズンは、若手と中堅デザイナーの着実な成長や新たな挑戦が際立った。それぞれの信念や美学に忠実でありながら、クリエイションの洗練やビジネスの拡大を見せる彼らと伴走するように、ドイツファッション協会(Fashion Council Germany、以下FCG)も「新しいBFWの確立」という第1フェーズを経て「国際化」という次の段階へ移行。海外へのデザイナー代表団派遣プロジェクトに注力する(3月16〜20日には2度目の東京派遣を実施予定)ほか、ドイツブランドのビジネス発展を後押しするため、早ければ今秋にもファッション・ウイーク期間中のパリでのショールーム開催を目指す。(この記事は「WWDJAPAN」2026年2月23日号からの抜粋です)
そんな発展を続けるBFWは今季、過去最多となる52ブランドが公式スケジュールに名を連ねた。その核となるのは、FCGとベルリン州経済・エネルギー・公共企業局による助成プログラム「ベルリン コンテンポラリー(BERLIN CONTEMPORARY)」だ。現在は毎シーズン、ドイツ拠点のブランドを中心にしつつ国外のブランドも含めて19組を選出しているが、実力を磨くデザイナーが増え、競争率は年々高まっている。今回は、その中から「自由・包摂・多様性のプラットフォーム」を掲げるBFWを象徴するブランドを紹介する。
「マーケ(MARKE)」
さらに磨きをかけた
詩的なテーラードスタイル
2022年にケルンで創業した「マーケ」は、詩的なムード漂う美しいテーラリングに一層磨きをかけ、これまでで最も洗練されたコレクションを披露した。目を引いたのは、すっきりとしたテーラードコートやスーツ、流れるようなワイドパンツ、アレンジを効かせたシャツのレイヤード、チュールを重ねたバルーンパンツやボンバージャケット。メンズの仕立てを軸にしつつもジェンダーレスに着られるスタイルは、日本をはじめ国外のメディアやバイヤーからの評価も高く、ビジネスの発展に期待がかかる。
「ハーダールンプ アトリエ ベルリン(HADERLUMP ATELIER BERLIN)」
老舗劇場で見せたエレガンスへの挑戦
「ハーダールンプ アトリエ ベルリン」は、店舗も併設する自社アトリエでの生産にこだわる。今季の着想源は、ベルリン出身の女優マレーネ・ディートリッヒ(Marlene Dietrich)。老舗劇場ヴィンターガルテン・ヴァリエテを舞台に、自由な精神で20世紀を生きた彼女のようなマスキュリンとフェミニンが交差するスタイルを見せた。特筆すべきは、持ち味の構築的なテーラリングやレザーで表すたくましさと、繊細なレースやドレープのミックス。ショーの演出も含め、より成熟したエレガンスを感じさせた。
「リヒャルト バイル(RICHERT BEIL)」
奇妙かつ親密な“ディナー”とともに
新作を披露
黒を基調にアングラかつ前衛的な世界観を追求する「リヒャルト バイル」は、新たに構えたスタジオ兼コミュニティースペースで、“ディナー”を交えた奇妙かつ親密なショーを開いた。一口サイズのコース料理を提供する給仕とモデルたちがまとうのは、シェフシャツやエプロン、メイド服のフリル、白いナプキンなど晩餐会につながる要素とテーラリングを融合したウエア。アイデアは奇抜だが、精緻な技術に裏付けられたクオリティーの高さが光る。
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