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「クレ・ド・ポー ボーテ」の現在地 3ステップ・スキンケアがヒットしている理由

PROFILE: 萩原里実/クレ・ド・ポー ボーテ ブランド事業部 マーケティンググループ ブランドマネージャー

萩原里実/クレ・ド・ポー ボーテ ブランド事業部 マーケティンググループ ブランドマネージャー
PROFILE: (はぎわら・さとみ)新卒で資生堂に入社。店頭・営業企画、商品開発、日本ローカルブランド・グローバルブランドおよびメイクアップ・スキンケアブランドのマーケティング職を経験し、23年に日本リージョンにおける「クレ・ド・ポー ボーテ」のブランドマネージャーに就任 PHOTO:KOJI SHIMAMURA

クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」の中核スキンケアライン“キーラディアンスケア”の存在感が一段と高まっている。“キーラディアンスケア”は、美容液、ローション、乳液・クリームの3ステップをブランドの“基本”としており、独自のサイエンスアプローチ「肌の知性」に基づく製品開発を行う。昨年のリニューアルを機に、顧客との接点をどう再設計したのか。大ヒットが続く化粧下地“ヴォワールコレクチュールn”の動向も含め、「クレ・ド・ポー ボーテ」の現在地と今後の展望を萩原里実ブランドマネージャーに聞いた。

なぜスキンケアに3品が必要なのか

WWD:24〜25年にかけてコアラインを刷新した。その手応えは。

萩原里実ブランドマネージャー(以下、萩原):24年に美容液“ル・セラム”を、25年7月にローションと乳液・クリームをリニューアルし、“キーラディアンスケア”の刷新が完了した。足元では好調に推移している。

WWD:支持を広げている理由は。

萩原:既存のお客さまとの関係深化と、新規のお客さまとの接点拡大を同時に進めたことが大きい。キーラディアンスケアは3ステップを核とし、「理想的な輝く肌の原点」を掲げている。それぞれ単品で訴求するのではなく、「なぜ3品が必要なのか」を理解してもらう取り組みを強化した。

WWD:その象徴が体験型イベントだ。

萩原:毎年開催している体験型イベントは、25年は“キーラディアンスケア”のリニューアルに合わせ、麻布ヒルズを会場に予約制で実施した。成熟層が集う立地を選び、ブランドを深く理解したいお客さまに向けた限定的かつ密度の高い場とした。訴求の軸は3ステップを一連の流れとして提示し、3品の重要性を直感的に理解してもらうことに重きを置いた。美容液で“生み出し”、ローションで“育み”、モイスチャライザーで“高める”という、それぞれの役割を明確化。説明に偏るのではなく、映像やビジュアル、空間演出を通じて“キーラディアンスケア”が目指す肌のあり方と機能のつながりを可視化した。

WWD:手応えは。

萩原:予約は開始後すぐに埋まり、枠を増設するほどの反響があった。「体系的な取り組みは初めて知った」「ここまで踏み込んだ体験型イベントは珍しい」といった声が寄せられた。来場者の中心は30〜40代。ベースメイクの使用経験はあるものの、スキンケアには踏み出せていない層が目立った。ブランドの世界観と製品機能を体験を通じて伝える取り組みは、一定の成果につながった。

WWD:リニューアルではサンプル施策も奏功した。

萩原:リニューアル後は、サンプルの戻り率が刷新前と比べて倍以上に上昇した。従来から配布は行っていたが、リニューアルを機に反応が大きく伸びた。イベントや店頭施策との連動も後押しし、20〜30代の愛用者増にもつながっている。

WWD:改めて、ブランドの中心客層をどう見ているか。

萩原:ボリュームゾーンは40代。ただ、カテゴリーごとに明確な年代差があるかというと、必ずしもそうではない。ベースメイクでは30代の比率がやや高い印象がある。

WWD:化粧下地“ヴォワールコレクチュールn”もヒットが続く。若年層の支持が厚く、ブランドの入り口になっている。

萩原:“ヴォワールコレクチュールn”は20〜30代の構成比が高い。仕上がりだけでなく、「落とした後の肌もきれい」という評価がある。継続使用の中で肌そのものが整う実感が、スキンケアへの関心を喚起している。「これがないと困る」「自分の肌をつくってくれるのはこれ」といった嬉しい声も多く、リピートを重ねる中でスキンケアを購入する動きも見られる。

WWD:店頭ではスキンケアへの導線をどう設計しているのか。

萩原:ベースメイクのタッチアップ時にはメイクを落とし、“ル・セラム”から化粧水、乳液・クリームまでのステップを紹介している。ハンディタイプの機器で肌を確認すると、塗布前後でキメの違いが視覚的に分かる。キメが整うとメイクのノリや持ちが良くなることも伝えている。ベースメイク目的で来店したお客さまが、“ル・セラム”を併せて購入する動きも見られる。

WWD:男性客や訪日客の動きも広がっている。ブランドの裾野は確実に広がっている印象だ。

萩原:若い男性がベースメイクを購入する例もあり、スキンケアでは“キーラディアンスケア”に限らず最高級スキンケアライン“シナクティフ”を愛用する60代男性もいる。海外のお客さまは円安の影響もあり、来店は引き続き多い。中国を中心にアジア圏が主軸だが、欧米からのお客さまもよく見られる。体験志向が強まり、丁寧なカウンセリングを求める傾向が強い。

WWD:スキンケアとベースメイクの売り上げ構成比はいまは理想な姿か?

萩原:比率自体は重視していない。ベースメイクが入り口となり、スキンケアにつながるケースもある。重要なのは愛用者の人数を増やすこと。生涯にわたって「クレ・ド・ポー ボーテ」のアイテムを選び続けてもらうこと、すなわちLTVの向上だ。

WWD:今後の課題は。

萩原:サイエンスの伝え方が課題だ。薬機法のハードルは依然として高く、研究の背景を十分に伝えきれない場面もある。私たちは肌細胞研究を40年以上、遺伝子研究も20年以上続けているが、慎重な表現が求められている。

WWD:その制約の中で、どう発信していくのか。

萩原:2月21日に発売する薬用美白美容液と美白マスクは、「エピジェネティクス(後成遺伝学)研究」という切り口を打ち出し、サイエンス性をより明確に示している。このほかブランドサイトでは、製品ページとは別にサイエンスに特化したLPを設け、より深い理解につながる導線を整えている。製品そのものでは語りづらい内容については、技術や研究の文脈で丁寧に伝えていく。初期段階ではKOLの力も借りるが、最終的には実際に使ったお客さまの声が広がっていくことが重要だと考えている。派手なプロモーションよりも、理解と共感を積み重ねることが重要だ。ブランドの背景やストーリーに共感してくださるお客さまとの接点を広げたい。

WWD:チャネル戦略は。

萩原:百貨店、外商、ECなど、それぞれのチャネルには特性がある。その強みを磨き、ブランド体験をより深めていくことが重要だと考えている。単なる売り上げの拡大ではなく、ブランドへの信頼を積み重ね、長期的な愛用者を育てていきたい。

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