ニューバランス ジャパンは、現在オーストラリアで開催中のテニス4大大会の一つ「全豪オープン(以下、AO)」に合わせたキャンペーンを実施中だ。AOとコラボレーションしたアパレル商品を販売するとともに、旗艦店である「ニューバランス原宿」では1月7日から2月15日までポップアップを開催している。テニスを重要カテゴリーに設定し、AOを通じてその文化と楽しさを伝える。
米ニューバランスは24年にAOとのパートナーシップ契約を締結し、世界中でマーケティング活動を強化している。「ニューバランス」は元々の強みであるランニングに加え、近年はサッカー、野球、ゴルフといった競技でのシェア獲得に動く。テニスは後発であるものの、女性世界ランキング3位のココ・ガウフ(米国)、男子のトミー・ポール(米国)ら、スター選手とも契約するなど、世界のテニス市場での存在感は高まっている。
そんなニューバランスにとってAOは重要なコンテンツになる。AOは4大大会の中で「ハッピー・スラム」と呼ばれる。南半球の温暖な気候の中、熱狂的なテニスファンが集まり、応援合戦を繰り広げる。そんな陽気なテニス文化とブランドのと相性が良いと考える。AOの12日間の開催中、「ニューバランス」はメルボルンの会場近くに発信拠点を設けたり、路面電車のラッピングやLEDの屋外広告を展開するなど、さまざまな取り組みを行っている。
契約のテニス選手だけでなく、ブランドのアンバサダーであるゲーマーのサイディオンはSNSを通じてAOの魅力を発信し、ヒップホップのアミーネはAO会場でライブパフォーマンスを行う。さらに地元オーストラリアの男子クリケット選手のパット・カミンズ、米MLBのニューヨーク・メッツのフランシスコ・リンドーア、米女優のストーム・リードらが現地や各国で行われるイベントに参加する。
日本では「ニューバランス原宿」のポップアップストアが目玉となる。昨年12月にリニューアルオープした同店の1階を、AOの青いコートやロッカールームから着想を得た空間にし、メルボルの熱気と興奮が伝わる演出を施した。そこにジャケットやフーディ、ラグビーシャツ、グラフィックTシャツなどAOとのコラボレーションアパレルやテニスシューズを並べる。購入者にワッペンをプレゼントし、その場でウエアやバックに付けるサービスも実施する。
ニューバランス ジャパンでマーケティングと担当する加瀬友之シニアマネージャーは、日本におけるAOのマーケティングは長期的な視野で考えているという。「すぐにビジネスで成果を出そうとは考えていない。AOを通じてテニスとその背景になるカルチャーを感じてほしい。まずは関心を持ってもらい、少しでも競技人口の裾野の拡大につなげたい」と述べる。
同社のテニス事業は一部の専門店での展開など、消費者との接点が限られていたが、今後は露出を増やす方針だ。昨年11月から12月にはかけては、テニスウエアのコーディネートスナップを一般から募るコンテスト「ニューバランス テニススタイルアワード」を開催した。中高生や大学生、社会人まで幅広い層に向けてアピールを強めていく。