ファッション業界には素晴らしい才能を持つデザイナーが大勢いるが、“ファッション史に影響を与えた”とまで評される存在は限られているだろう。米「WWD」は新年を迎えるにあたり、ファッション界を代表するデザイナーらに「ファッション史に影響を与えた、過去100年で最も偉大なデザイナー3人は誰か」というアンケート調査を実施。3人に絞りきれないという声もあったものの、多くの回答が集まり、その中には誰もが納得する大御所の名前もあれば、意外な名前もあるなど興味深い結果となった。ここでは、ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)、デムナ(Demna)、マルタン・マルジェラ(Martin Margiela)、リック・オウエンス(Rick Owens)ら総勢26人の回答を紹介する。
ミウッチャ・プラダ
「プラダ(PRADA)」共同クリエイティブ・ディレクター兼「ミュウミュウ(MIU MIU)」クリエイティブ・ディレクター
マダム・シャネル、イヴ・サンローラン、川久保玲。
ラフ・シモンズ
「プラダ」共同クリエイティブ・ディレクター
マルタン・マルジェラ、ヘルムート・ラング、ミウッチャ・プラダ。
アレッサンドロ・ミケーレ
「ヴァレンティノ(VALENTINO)」クリエイティブ・ディレクター
エルザ・スキャパレリ、(イタリアにおけるプレタポルテの父とも呼ばれる)ワルテル・アルビニ、ジャンニ・ヴェルサーチェ。
シルヴィア・フェンディ
フェンディ(FENDI)名誉会長(前「フェンディ」メンズ&アクセサリー アーティスティック・ディレクター)
ココ・シャネル、イヴ・サンローラン、カール・ラガーフェルド。
マリア・グラツィア・キウリ
「フェンディ」チーフ・クリエイティブ・オフィサー
ミウッチャ・プラダ、川久保玲、ココ・シャネル。いずれも確立された規範を壊し、女性や世界にとってファッションが意味するものを変えた。
マルタン・マルジェラ
「メゾン マルタン マルジェラ(MAISON MARTIN MARGIELA)」(当時)創業デザイナー
ココ・シャネル、イヴ・サンローラン、川久保玲。
ジョナサン・アンダーソン
「ディオール(DIOR)」アーティスティック・ディレクター
クリスチャン・ディオール、マダム・グレ、ミウッチャ・プラダ。
デムナ
「グッチ(GUCCI)」アーティスティック・ディレクター
ガブリエル・シャネル、マルタン・マルジェラ、イヴ・サンローラン。クチュリエでは、クリストバル・バレンシアガ、アズディン・アライア、アレキサンダー・マックイーン。
サラ・バートン
「ジバンシィ(GIVENCHY)」クリエイティブ・ディレクター
アレキサンダー・マックイーン。彼は天才で、先見の明があった。ファッション、アート、演劇、音楽、歴史、政治などの境界線を破壊し、ファッションの枠を超えて人々の感情を動かした。もう一人は、川久保玲。あらゆる規範や慣習に反抗し、過去の自分をも踏み越えていくさまにインスパイアされる。最も純粋な形で、強さとクリエイティビティーを追求していると思う。
リック・オウエンス
「リック・オウエンス(RICK OWENS)」創業デザイナー
マルタン・マルジェラ、川久保玲、カルバン・クライン。
オリヴィエ・ルスタン
「バルマン(BALMAIN)」前クリエイティブ・ディレクター
まずは、勇気と大胆なビジョンを持っていたピエール・バルマン。そして時代の精神を深く理解した上でヘリテージをモダンに再解釈し、タイムレスなファッションというコンセプトを作り変えたカール・ラガーフェルド。ファッションを社会の変化を映す鏡と捉え、アートと自由さをデザインに落とし込こみ、個性をエンパワーしたイヴ・サンローラン。独自の美学を持ってユースカルチャーを昇華し、メンズのシルエットを再発見し、音楽と写真とファッションを一つの文化的言語へと融合したエディ・スリマン。
ダニエル・ローズベリー
「スキャパレリ(SCHIAPARELLI)」アーティスティック・ディレクター
“オートクチュールの父”と称されるシャルル・フレデリック・ウォルト。女性を解放し、ファッションにおける“ブランド”という概念を作り出したガブリエル・シャネル。やはりファッションにおける“アバンギャルド”を生み出した川久保玲。
ジュリアン・クロスナー
「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」クリエイティブ・ディレクター
ここ100年のファッションに影響を与えたデザイナーは大勢いるが、中でも服に対する私の考え方に影響を与え続けている存在が3人いる。それは、抑制的であると同時に革命的なクリストバル・バレンシアガ、過去と現在を見事に融合してシアトリカルな作品を生み出すジョン・ガリアーノ、コンセプトとプロダクトの境界線に挑むリック・オウエンス。
マイケル・コース
「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」チーフ・クリエイティブ・オフィサー
ココ・シャネル、イヴ・サンローラン、(1970~80年代に一世を風靡した)ロイ・ホルストン・フローウィック。彼らは人々の日常的な服装に大きな影響を与え、年月が経っても色褪せないファッションを作り出した。
トミー・ヒルフィガー
「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」創業デザイナー
ココ・シャネル。着心地のよさとエレガンスを日常着に取り入れ、モダンかつタイムレスなファッションを作り出した。クリスチャン・ディオール。フェミニンさを再定義し、画期的な“ニュールック”でファッションに新時代の美と楽観性をもたらした。カール・ラガーフェルド。メゾンの歴史に敬意を払いつつ、ブランドコードをモダンに再解釈して進化させ、独自のスタイルを失うことなく何十年にもわたって時代を先取りし続けた。
ポール・スミス
「ポール・スミス(PAUL SMITH)」創業デザイナー
イヴ・サンローラン、川久保玲、山本耀司、三宅一生、アントワープ・シックス(アン・ドゥムルメステール、ドリス・ヴァン・ノッテン、ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク、マリナ・イー、ダーク・ヴァン・セーヌ、ダーク・ビッケンバーグ)、マルタン・マルジェラ、ガブリエル・シャネル、クリスチャン・ディオール。
アレッサンドロ・サルトリ
「ゼニア(ZEGNA)」アーティスティック・ディレクター
1970年代にジェンダーレスな雰囲気を先取りしていた、ワルテル・アルビニ。素晴らしい形や素材、色彩感覚の持ち主だったロメオ・ジリ。ファッションとアートやカルチャーを融合し、伝統的な美の規範を壊し、モダンラグジュアリーを再定義したミウッチャ・プラダ。
ウェス・ゴードン
「キャロリーナ ヘレラ(CAROLINA HERRERA)」クリエイティブ・ディレクター
クリストバル・バレンシアガ、クリスチャン・ディオール、そしてキャロリーナ・ヘレラ。
マノロ・ブラニク
「マノロ ブラニク(MANOLO BLAHNIK)」創業デザイナー
100年もの期間でたった3人のデザイナーを選ぶなんて無理難題だ!しかしどうしてもというのであれば、まずはクリストバル・バレンシアガ。彼は偉大な芸術家のように、布に彫刻を施した。イヴ・サンローランは、私と同時代のモダンなデザイナーの中で最も偉大な存在だろう。大胆かつエレガントなシルエットで、女性のスタイルをいっそう洗練させつつ、マスキュリンとフェミニンを見事に融合した。アズディン・アライアは、女性の体のラインを誰よりもよく理解しており、流行の後追いをしない独自の審美眼によって、センシュアルでタイムレスな作品を生み出した。ジョン・ガリアーノは、ファッションにシアトリカルな楽しさやロマンス、ファンタジーを甦らせた。
ノーマ・カマリ
「ノーマ カマリ(NORMA KAMALI)」創業デザイナー
ココ・シャネル、クリスチャン・ディオール、イヴ・サンローラン。
サイモン・ポート・ジャックムス
「ジャックムス(JACQUEMUS)」創業デザイナー
カール・ラガーフェルドと、クリストバル・バレンシアガ。
スティーブン・ジョーンズ
帽子デザイナー
ガブリエル・シャネル、クリスチャン・ディオール、ヴィヴィアン・ウエストウッド。
キャサリン・ホルスタイン
「ケイト」創業デザイナー
ココ・シャネル、(1940~50年代に登場した機能的な既製服“アメリカンルック”の創始者といわれる)クレア・マッカーデル、イヴ・サンローラン。
ウィリー・チャヴァリア
「ウィリー チャヴァリア(WILLY CHAVARRIA)」創業デザイナー
クリストバル・バレンシアガ、ジョルジオ・アルマーニ、(フランス・オートクチュール&モード連盟に初めて加入した米国人デザイナーの)パトリック・ケリー、(アフリカ系米国人デザイナーで初めて国際的に成功した一人である)スティーブン・バロウズ。
クリスチャン・ルブタン
「クリスチャン ルブタン(CHRISTIAN LOUBOUTIN)」創業デザイナー
イヴ・サンローラン、ジョン・ガリアーノ、(バイアスカットの女王とも呼ばれる)マドレーヌ・ヴィオネ。
マイケル・ライダー
「セリーヌ(CELINE)」アーティスティック・ディレクター
あまりにも大勢いて、答えるのは不可能。