
ビューティ企業では、長年蓄積してきた処方情報や研究データをアルゴリズムに学習させることで、最適な処方設計やコンセプト創出の精度が一段と高まってきた。こうした潮流を踏まえ、「処方開発・構想」「肌分析」「香り開発」の3つの視点から、ビューティ業界におけるAI活用の進展をひもとく。(この記事は「WWDJAPAN」2025年12月1日号からの抜粋です)
資生堂
資生堂は、100年以上蓄積してきた研究員の知見や技術とAIを組み合わせ、従来の経験値だけでは導けない処方開発の高度化を進めている。アクセンチュアと共同で独自アルゴリズムによる「処方開発AI機能」を開発し、同社の化粧品開発デジタルプラットフォーム「ヴォイジャー(VOYAGER)」に搭載。2024年2月から本格稼働した。
100年超の知見・技術×AI
高付加価値製品の開発数が増加
処方開発AIは、原料単体の特性だけでなく、複数原料を組み合わせた際の効果、使用性、安定性まで含めて学習する「イングリディエント・インフォマティクス」を駆使して開発した。皮膚科学や感性科学、製剤化学などの基礎研究で得られた原料情報や処方データに加え、容器設計に関するデータまで、製品開発に必要な情報を幅広く網羅しているのが特徴だ。
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