PROFILE: フランソワ・アンリ・ピノー=ケリング会長

新生ケリング(KERING)が始動し、およそ2カ月がたった。ここ数年ほど業績不振が続いている同社では、創業家外かつ全くの異業種である仏自動車メーカーのルノー出身のルカ・デメオ(Luca de Meo)新最高経営責任者(CEO)が9月15日付で就任し、さっそく事業の立て直しに着手。一方、20年にわたってケリングを率いてきた創業家出身のフランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)会長兼前CEOは、同日付でCEOを退き会長職に専念している。在任中に同社のラグジュアリービジネスの売り上げを約6倍にし、“ラグジュアリー御三家”の一角を担う企業へと成長させた立役者である同会長に、現在の心境や新CEOへの期待、創業家の果たすべき役割などについて聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2025年11月24日号からの抜粋です)
WWD:デメオ新CEOに手綱を渡した現在の心境は?
フランソワ・アンリ・ピノー=ケリング会長(以下、ピノー):引き続き取締役会長を務めているし大株主でもあるので、ケリングを離れたという感じはしないものの、振り返ると素晴らしい冒険をさせてもらったなと思う。私は43歳の時にセルジュ(・ウェインバーグ元CEO、Serge Weinberg)からバトンを引き継いで会長兼CEOに就任したが、最初から全幅の信頼を寄せて経営を任せてくれた(創業者の)父は当時65~66歳と、今の私とほぼ同じ年齢だった。それを踏まえ、次にバトンを渡すべきときが来たと決意した。ルカは新たなビジョンやアイデアで、新鮮な息吹を吹き込んでくれるだろう。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。
