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連載 齊藤孝浩の業界のミカタ

婦人服ではない? しまむらの成長を支える本当の主役とは

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企業が期ごとに発表する決算書には、その企業を知る上で重要な数字やメッセージが記されている。企業分析を続けるプロは、どこに目を付け、何を読み取るのか。この連載では齊藤孝浩ディマンドワークス代表が、企業の決算書やリポートなどを読む際にどこに注目し、どう解釈するかを明かす。今回は今期、過去最高売上高&最高益を更新予定のしまむらを解説する。(この記事は「WWDJAPAN」2025年10月13日号からの抜粋です)

天候不順や物価高が続く中、しまむらが堅調です。2025年3〜8月期連結決算は、売上高、営業利益、純利益で過去最高を更新。通期(26年2月期)は、売上高で前期比4.1%増の6926億円、営業利益で同2.4%増の606億円、純利益で同2.3%増の428億円を見込み、過去最高売上高&最高益を更新すると予想しています。今回はその成長ドライバーを開示資料から探ってみます。

しまむら連結売上高と営業利益率の推移

増益の要因としては、まず、主力「ファッションセンターしまむら(以下、しまむら)」の「クロッシー」や「シーズンリーズン」といったプライベート&オリジナルブランド強化による利益率の向上が大きいです。それからアニメなどのIP(キャラクター)とのコラボ商品ですね。

あともう一つトピックとしてあげておきたいのは、2月に社長交代があり、高橋維一郎さんが新社長に就いたことです。

しまむらは、店舗勤務から始まり、ローテーションで全部署を経験させ、事業を理解させながら、その人の強みのある部署への配置を決めていきます。ですから、社長がどこの部署出身かによって会社の旗振りが変わったりして、面白いです。前任の鈴木誠さん(現代表取締役会長)は物流やシステム開発関連に強い人でしたので、彼が築いた「仕組みでしっかり儲ける」をベースに、商品改革の立役者である高橋さんがどう発展させていくかがポイントだと見ています。
 
では、実際に何が同社の売上高を伸ばしているのか。開示データを詳細に見ていくと分かるのは、それは子ども服なんだということです。

「しまむら」はその昔、主婦の店しまむらと呼ばれていたり、しまらーブームがあったり、婦人服の印象が強いので、そこが好調なんじゃないか、最近力を入れているPB開発やJB(ナショナルブランドの別注品)やIP(ライセンス商品)を中心に、それらの単価や粗利が取れているのではないか、そういうふうに思われがちなんですけれど、しまらーブーム後のしまむらの成長があるのは、ベビー・子ども服なんです。もちろんベビー・トドラー用品専門店の「バースデイ」の伸びが大きいのですが、しかし、それだけではないんです。「しまむら」本体もベビー・子ども服がけん引しているんです。

西松屋を超えるベビー・キッズ服売上高

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