2026年春夏ニューヨーク・ファッション・ウイークは、洗練されたミニマルなシルエットと、軽やかでリラックスしたレイヤードスタイルがトレンド。一方で、フリンジやフェザーなどの飾りのほか、刺しゅうや手編みのニットなど職人の手仕事にフォーカスしたアイテムも人気だった。ブランドでは、初のランウエイショーを披露した「ディオティマ(DIOTIMA)」や、エッジの効いたエレガンスを表現した「ケイト(KHAITE)」を高く評価する声が多く聞かれた。ここでは、有力小売店のバイヤーが注目するトレンドを紹介する。(この記事は「WWDJAPAN」2025年10月6日号からの抜粋です)
バーグドルフ・グッドマン
リンダ・ファーゴ=ファッション&ストア部門シニア・バイス・プレジデント
今季のニューヨークは、不安定な社会情勢に対する解毒剤のような、穏やかで柔らかなコレクションが多かった。官能性の表現も、肌を過剰に見せず、ソフトなドレープや透け感のあるエアリーなベールを重ねるなど知的かつ洗練された雰囲気だった。そうしたクワイエットでクリーンなシルエットの一方で、水彩画のような花柄プリントや刺しゅう、風になびくフェザー、きらめくスパンコールなどの飾りがあしらわれているアイテムも多数登場。ふんわりとしたボンバージャケットやバルーンシルエットのハーレムパンツが要注目アイテム。
「ケイト」は、センシュアルでありつつエッジの効いたデザインがとてもよかった。初のランウエイショーを披露した「ディオティマ」は、レイチェル・スコット(Rachel Scott)創業デザイナーの故郷であるジャマイカのクラフツマンシップと鮮やかな色彩が印象的だった。なお、同氏は新たなクリエイティブ・ディレクターとして「プロエンザ スクーラー(PROENZA SCHOULER)」に加わったばかりだが、デザインチームと共に、このブランドらしい都会的で洗練されたシルエットに自身が得意とするクラフトを見事に融合してみせた。「アルチュザラ(ALTUZARRA)」も、美しいテーラリングとクリエイティブなフローラルプリントが素晴らしかった。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。
