
米ナイキの2025年5月期業績は、売上高が前期比10%減の463億900万ドル(6兆7611億円)、純利益は同44%減の32億1900万ドル(4699億円)だった。第4四半期(3〜5月期)は売上高が前年同期比12%減の110億9700万ドル(1兆6201億円)、純利益は同86%減の2億1100万ドル(308億円)。24年10月に就任し、テコ入れに取り組むエリオット・ヒル(Elliott Hill)社長兼CEOは、「業績は予想通りではあるが、期待していた水準に達していない」とコメントしている。
地域別売上高では、北米が同9%減、欧州・中東・アフリカが同10%減、グレーターチャイナが同13%減、それ以外のアジア太平洋&ラテンアメリカが同7%減だった。「ナイキ(NIKE)」ブランドの売り上げの65%超を占める主力のフットウエアの売り上げが、北米、グレーターチャイナ共に同13%減と苦しんでいる。
「ナイキ(NIKE)」ブランドの売上高は前期比9%減の447億1400万ドル(6兆5282億円)だった。直営事業の売上高は同13%減。ECが20%減、直営店事業は横ばい。ヒルCEOのもとで再強化を進めている卸売事業は7%減。
引き続き、ライフスタイルやファッションではなくスポーツを事業の中心に据え、「スポーツオフェンス」と呼ぶ強化策を進める。「スポーツオフェンス」では、「主要スポーツでの差別化の推進、包括的な製品ポートフォリオの構築、消費者を刺激しつながるストーリーの創出」(決算資料から)などを行う。
なお、決算発表と同日の26日に、契約アスリートのフェイス・キピエゴン(Faith Kipyegon)選手と挑んだ、女子1マイル(約1.6キロメートル)走4分切りを目指すプロジェクト“ブレーキング4”の結果は4分6秒42と、4分切りはならなかった。キピエゴン選手自身が持つ世界記録(4分7秒64)は超えたものの、世界陸連が規定する公式記録ではないため、世界新記録更新とはならない。