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ナイキ、24年5月期は減収 24年度の見通しを下方修正し株価も急落

ナイキ(NIKE)の2024年5月期決算は、売上高が前期比0.3%増の513億6200万ドル(約8兆2692億円)、EBIT(利払前・税引前利益)は同5.6%増の65億3900万ドル(約1兆527億円)、純利益は同12.4%増の57億ドル(約9177億円)だった。

ブランド別に見ると、「ナイキ」の売上高は同1.1%増の493億2200万ドル(約7兆9408億円)だった。中国を除くアジア太平洋地域と中南米で業績をやや伸ばしたものの、北米の不調と為替の影響により微増にとどまった。やはり北米と西欧が不調だった「コンバース(CONVERSE)」は、同14.2%減の20億8200万ドル(約3352億円)だった。

地域別の売上高では、北米が同1.0%減の213億9600万ドル(約3兆4447億円)、欧州・中東・アフリカは同1.4%増の136億700万ドル(約2兆1907億円)、中国(中国語圏)は同4.1%増の75億4500万ドル(約1兆2147億円)、中国を除くアジア太平洋地域と中南米は同4.6%増の67億2900万ドル(約1兆833億円)と、北米のみ減収となった。

なお、四半期ベースで見ると、24年3~5月期(第4四半期)の売上高は前年同期比1.7%減の126億600万ドル(約2兆295億円)、EBITは同37.4%増の16億7300万ドル(約2693億円)、純利益は同45.5%増の15億ドル(約2415億円)とアナリスト予想を下回る結果となった。

予想を下回る結果で24年度の見通しを下方修正

ジョン・ドナホー(John Donahoe)社長兼最高経営責任者は、「短期的な課題に積極的に取り組みつつ、機能性分野におけるイノベーションによってアスリートに貢献し、市場全体を成長させていきたい。業績を伸ばすべく、チームが一丸となり、競争上の優位性を生み出してくれると確信している」と語った。また、アナリスト向けの決算説明会で、ライフスタイル部門の売り上げの低下やマクロ経済の先行き不透明感により、24年度の見通しを下方修正せざるを得なかったとコメントした。

マシュー・フレンド(Matthew Friend)=エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼最高財務責任者は、「第4四半期の業績を踏まえ、24年度の見通しを(下方)修正することとなった。競争力をさらに高め、持続的かつ収益性の高い成長ができるよう、ナイキのリポジショニングに取り組んでいる」と述べた。

決算発表後に株価は20%安と急落

今回の決算発表を行った6月27日の翌日、ナイキの株価は前日比20.0%安の75.37ドル(約1万2134円)に下落。決算内容や下方修正を嫌気し、7月3日の終値も75.24ドル(約1万2113円)と安値で推移している。

同社は昨年12月に23年9〜11月期(第2四半期)決算を発表した際、今後3年間で20億ドル(約3220億円)のコスト削減を図るため「品ぞろえの簡素化や、自動化およびテクノロジー活用の促進、スケールメリットの追求による効率化に注力する」とし、組織の合理化を行うことを発表。24年2月には、全従業員の2%に当たる約1660人を解雇することを明らかにした。

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