毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2026年6月29日号からの抜粋です。)
横山:毎年恒例の繊維商社特集です。今回は働き方改革と新卒採用にフォーカスしました。伊藤さんは初めての繊維商社取材でしたね。
伊藤:チャンスは絶対に逃さない、貪欲な人たちばかりで、“商社パーソン”のイメージ通りでした。タキヒヨーコリアで採用され、東京で働く女性課長を取材しましたが、「月曜が楽しみ」と語るほど仕事好きな方で、すごくキラキラしていました。
横山:繊維商社は課長が大きな裁量権を持っているので、やりがいはあると思います。女性の活躍も増えていて、最近だと新卒採用の総合職は半分くらい女性になっています。一方、課題は、女性の管理職比率が極めて低いこと。ここ数年の追いかけてきたテーマですが、社長に聞くと「働き方改革とセットだ」と口をそろえます。本質的な部分であり、かなり問題意識を持っていると感じました。
伊藤:人事部座談会での「働き方は個人商店」という発言が印象的でした。
横山:アパレル&小売企業のモノ作りをサポートするという、相手ありきの仕事なため、ビジネスモデルが属人的になりがちで、引き継ぎも難しい。そして国内外問わず出張も多いから、必然的に拘束時間が長くなる。結婚はともかく、出産すると復帰するのが難しいのが現実です。
伊藤:座談会に参加したタキヒヨーの女性社員は出産後、復帰してすぐは外回りがない仕事をしたり、出張も子どもの迎えに間に合うように16時発の新幹線に乗れるようクライアントが配慮してくれたりしたということでしたが、それは本当に周囲の理解次第ですよね。
横山:そうなんですよね。育児との両立が難しいと分かっていても新卒採用で女性が半数を占めるということは、それだけ採りたいと思う優秀な女性が多いということ。ロールモデルを作れていないというのは、シビアな問題です。
伊藤:会社がフレックス制を導入しても解決しないところが、難しいですね。
横山:属人的にならないように、チームで運営したりするような組織作りを進めている企業もあり、モデルケースができつつあります。でも、育児が母親メーンの役割とされているところが本当は大きな問題だし、18時以降に稼働しないといけないリクエストを商社にしてしまうクライアント側の課題もあります。これは業界の構造的問題でもあるんですよね。