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「アントワープ・シックス」の軌跡を辿る展覧会 川久保玲や山本耀司に刺激を受けたドリスやアンが目指した世界

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ベルギーの小さな街アントワープから現れた若きデザイナー、マリーナ・イー(Marina Yee)とドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)、アン・ドゥムルメステール(Ann Demeulemeester)、ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク(Walter Van Beirendonck)、ダーク・ビッケンバーグ(Dirk Bikkembergs)、そしてダーク・ヴァン・セーヌ(Dirk Van Saene)のデビューから40年。地元のモード博物館(以下、MoMu)は2027年1月17日まで、彼らにフィーチャーした展覧会を開催している。ゲストキュレーターは1986年、彼らをロンドンの展示会に急遽参加させ、ベルギーの小さな街を一躍ファッションスポットへと変貌させたヘールト・ブリュルート(Geert Bruloot)。「アントワープ・シックス」という伝説の立役者は、「彼らは自分たちのやり方で成し遂げた。独自の流儀でルールを打ち破った。だからこそ、いつでも好きなものを自由に創造できた」と話す。(この記事は「WWDJAPAN」2026年6月29日号からの抜粋です)

会場には、MoMuが所蔵する4万5000点ものコレクションやデザイナー自身のアーカイブからよりすぐられた数多くの衣装とともに映像や音楽、インスタレーション、さらには機械仕掛けの装置などが取り入れられた。

ブリュルートは、「彼らは、大きな成功を収めた日本人デザイナーたちによる『冒険』をまさに体験したばかりだった」という。川久保玲や山本耀司は1980年代初頭にパリでコレクションを発表して、ファッションシーンに衝撃を与えていた。そこで「彼らは、ファッションにおいては『ストーリー』が有効だと気づいた。それは当時、新しいことだった」という挑戦をスタート。以降、ダーク・ビッケンバーグはサッカーなどのスポーツにこだわり、アン・ドゥムルメステールはダーク・ロマンティシズムを表明。彼らは皆、卓越したデザイン力と深い文化的・歴史的知識、服作りへの敬意、そしてブランドを築き上げる忍耐を兼ね備えつつ、多彩な表現を模索した。業界の当時のメインストリームからはやや離れ、広告を打たず、セレブリティーに衣装を提供せず、ハンドバッグの販売に傾倒することもなく、今に至るまでプレコレクションも限定的だ。

一方で彼らは、説得力のある独創的なデザインとストーリーテリングを通じて、世界のファッションの舞台で成功を収めるという熱い野心を共有していた。MoMuのカート・デボ(Kaat Debo)館長兼チーフキュレーターは、「彼らはごく早い段階から、ファッションとは単に服を作ること以上のもの、つまり一つの創造的な世界だと理解していた。それはコミュニケーションのあり方や店舗、ファッションショーでの服の見せ方に関わる。ファッションとは、一つの文化だ。こうした考え方は、現代においても非常に重要。才能の育成や、独立系ファッションデザインの未来に関わるから」という。

展覧会では冒頭、新聞や雑誌の切り抜き、写真や映像を通して、6人がいかにして当時の経済、社会、文化、そしてファッション的な文脈の中で登場したかを物語る。6人は共に学んだだけでなく、パーティーを楽しみ、パリ・ファッション・ウイークに乱入、「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」のショーの招待状をヨーグルトのふたで偽造したというエピソードも今回詳らかになった。これに続くのは、6人それぞれの展示室だ。

ダーク・ビッケンバーグはファッション×スポーツの先駆者

ダーク・ビッケンバーグ

ダーク・ビッケンバーグは、自身のデザインを身にまとったお気に入りのモデルたちの巨大な写真を投影した。モデルたちの隆々とした大腿四頭筋や上腕二頭筋は、ファッション、スポーツ、そして性的な挑発を融合させた彼の先駆的なスタイルを際立たせる。彼はサッカー選手を、新しい時代のロックスターだと捉えていた。創業者は2011年に会社を去ったが、ブランドは現在もミラノでコレクションを発表し続けている。

ウォルターは「未来を予測する最善の方法は、自ら未来を作ること」とエール

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