ファッション
連載 エディターズレター:FROM OUR INDUSTRY 第58回

「再スタート」の形も多様だ

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※この記事は2023年09月25日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

2024年春夏のミラノ・コレクションでは、「グッチ」と「トム フォード」そして「バリー」が新しいクリエイティブ・ディレクターを迎えて再スタートを切りました。

上のリンクの通り、様変わりした「グッチ」に驚いた方は多かったのではないでしょうか?実はショーの前から、私の周りでは(!?)「サバト・デ・サルノの『グッチ』はシンプルらしい」とか「トム・フォード時代の『グッチ』がお手本のようだ」なんてウワサが飛び交っていましたが、正直ここまでシンプルだとは思いませんでした。とはいえ、ウェブストライプやGGモチーフ、“ジャッキー”や“バンブー”など、「グッチ」のアイコンは盛りだくさん。前任のアレッサンドロ・ミケーレは一時否定していましたが、シンプルなのに「グッチ」らしい官能性や魅惑も兼ね備えています。激変ゆえ賛否両論あるかと思いますが、私は「お見事」という印象でした。

こちらの記事で書いた通り、シンプルな洋服を魅力的に見せるのは、決して簡単なことではありません。そこはパタンナー出身で、クチュールブランドの「ヴァレンティノ」を支えてきたサバトの本領が発揮されたと言えます。ところで「グッチ」にとっての「ヴァレンティノ」と言えば、最近のトピックスは「ヴァレンティノ」出身のサバトを迎えただけでなく、親会社のケリングが「ヴァレンティノ」の株式を30%取得なんていうニュースもありました。これは、何か関係があるのでしょうか?株式取得の発表は7月末の話。一方、サバトの現職就任は2月の話です。

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