2025年のビューティ業界を象徴するキーワードを1つ挙げるなら、「トランスフォーメーション(変革)」だ。コロナ禍以降、ビューティ業界はデジタルネイティブブランドの台頭やECプラットフォームとの競争激化、消費者ニーズの変化、高水準の負債、関税や地政学リスクなど、かつてないほど複雑な経営環境に直面してきた。成長を追い求めて広げてきたブランドポートフォリオや事業体制は、企業の強みである一方、重荷にもなった。その結果、25年は世界の主要ビューティ企業が一斉に構造改革へ踏み出した1年となった。改革は人員削減や組織再編にとどまらない。事業ポートフォリオの整理、ブランド戦略の見直し、M&A、経営体制の刷新まで含めた「企業そのものの再設計」が本格化した。(この記事は「WWDJAPAN」2026年7月27日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋です)
売上高ランキングのトップ10企業だけを見ても、その変化は明らかだ。ユニリーバ(UNILEVER)は25年初めにフェルナンド・フェルナンデス(Fernando Fernandez)最高経営責任者(CEO)が就任すると、ビューティ、ウェルビーイング、パーソナルケアを成長戦略の中核に据えた。欧州ではオフィス部門の約3分の1に当たる約3200人を削減し、約200の幹部ポストを見直したほか、アイスクリーム事業を分社化。今年3月には食品事業をマコーミック(MCCORMICK)へ売却し、事業の選択と集中をさらに進めている。
エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMAPNIES)はステファン・ド・ラ・ファヴリー(Stephane de La Faverie)社長兼CEOの下、新ビジョン「ビューティ・リイマジンド」を推進。パンデミック以降に顕在化した中国市場への依存を見直しながら、最大7000人規模の人員削減を進め、収益体質の改善を急ぐ。資生堂も藤原憲太郎社長CEOの就任以降、中国、トラベルリテール、米州を軸とした大規模な構造改革を断行した。コティ(COTY)も組織再編とコンシューマービューティ事業の見直しを進めるなど、各社が経営の土台そのものを見直している。
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