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アップデートする熱海のレトロ温泉・ニューアカオへGO! 【トラベルライター間庭がハコ推し!】

旅の質が重視される今、時代やアップデートされる価値観に添い、心から満足できるホテルが求められている。ラグジュアリーを極めるより、ほっとできる快適さや、エンタメ要素のある施設がうれしい旅も。今回はノスタルジックな空気を維持しつつ、進化するレトロな温泉ホテル、熱海のホテルニューアカオをクローズアップする。

熱海を代表するレトロかわいいニューアカオが進化中

子どもの頃の夏休みの旅行といえば、箱根や軽井沢の山、そして九十九里や熱海の海だった。なかでも熱海は都心からのアクセスも良く、家族旅行には最適だった。子どもにとっては海水浴、大人たちにとっては温泉。それが何よりものご褒美だったのだ。

そんな時代の空気感を今も継承している熱海の街は、新幹線で東京駅から最短36分。踊り子号やロマンスカーで向かうルートもある。あの頃の家族旅行には欠かせない旅先で、その後も高校時代の女子旅など、熱海との縁は続いていた。そしてここ数年、老舗干物店によるひものバーやレトロかわいい喫茶店などもブームとなり、再び熱海が注目されるようになっている。

1973年に開業し、昭和の観光ブームとともに発展してきた観光ホテル、ホテルニューアカオは、熱海の歴史を見守ってきたホテルの1つだ。熱海駅から送迎バスで約10分。豪華絢爛なロビーからは相模灘のオーシャンビューが広がる。そして今、断崖絶壁に立つ昭和レトロな建築美を維持すべく、強化工事や全館改修工事から始まり、より快適な滞在を提供する施設へとリニューアルプロジェクトを推進している。特筆すべきは開業当時のインテリアや家具などを極力再利用し、利便性を追求するリニューアルだということ。変えずに変えていく。この禅問答のような「理想」をどうかなえるのか、それを見守れるのは今だけだ。

一歩一歩進むリニューアルを見届ける情報発信サイトも

2027年に完了予定のこのリニューアルプロジェクトを紹介するサイトも開設しており、進捗の様子を追うという楽しみもある。昔のホテルニューアカオを知るならば、その空間デザインを保ちつつ、いかに生かしているかを感じながら、アップデート情報をキャッチできるだろう。

例えば6月には「メインダイニング錦」にテラスエリアがデビュー。錦ヶ浦の断崖を目の前にしたテラス席で、旬のシーフードを波打ち際で楽しめる(夏季限定)。ランチ、カフェタイムのオープンのスペシャルなテラスだ。目の前に広がる岩場や海の風景もまたご馳走となる。地元食材にもこだわり、静岡県産の牛肉や駿河湾の魚介、伊豆の柑橘など、前菜からデザートまで静岡ならではの恵みを楽しめる多彩なメニューを展開している。「朝霧高原卵の冷製テガミーノ」や「駿河湾シラスと桜海老、相模湾の鯵とアンチョビの香り立つスパゲッティーニ」など、旬を楽しむフレッシュなイタリアンをぜひ堪能しよう。私のお気に入りはホテルオリジナルクラフトジンのジン&ソーダ。熱海のクラフトジン蒸留所「SEACLIFF」とのコラボで、熱海産の橙やハバノリ、静岡茶、静岡レモンなどを使用した爽やかな香りだ。ぜひ最初はストレートで味わってほしい。ほのかな塩味、柑橘の余韻が広がる。ソーダやトニックと合わせると食事との相性もよし!温泉とランチを楽しむ日帰りプランもあるので、心地よいテラスからの潮風を感じたい。

キッズとの旅を100%盛り上げる空間も続々とオープン

夏休みが始まる7月にはオーシャンウイングの12階にポップなキッズエリアが誕生した。キッズカーニバルがコンセプトのカラフルな全天候型プレイグランドとして人気になった。さらには最大7人まで宿泊可能な「キッズルームプレミア」など、3世代旅やグループ滞在を応援している。

昭和の古き良き観光ホテルとしての遊技場もあり、ゲームセンターやカラオケ、卓球場でも3世代で盛り上がること必須。中でも卓球場は崖が目の前に迫る景観で、ホテルニューアカオならでは。いい思い出となるだろう。

そしてそのレトロな雰囲気をスタイリッシュに仕上げた「缶詰BAR缶蔵」は湯上りに立ち寄りたいフォトスポット。50種以上の缶詰をつまみに飲めるお座敷スペースもあるバーで、ジェラートなども提供するので家族そろって楽しめる。その前には昔懐かしい駄菓子屋コーナーも。このあたりも懐かしいのになんだか新鮮!

夏ならではのスペシャルな遊泳体験は、錦ヶ浦の雄大な海と一体化した天然の海水プール「オーシャンプール」だ。相模灘の大海原の中で魚たちと一緒に泳ぐという、ここにしかない海の中で泳ぐプールは9月23日まで。ちなみにインドアプールは通年、泳げるのでご安心を。

リニューアルプロジェクトのフィナーレは伝説の大浴場

秋にはダンスファン憧れの「サロン・ド・錦鱗」が美装される。見渡す限りのオーシャンビュー、昔ながらの意匠を守りながら、絨毯やダンスフロアを美装し、格調高いダンスホールに。1980年代の熱狂を呼び覚ます「ディスコイベント」も開催予定というから楽しみだ。若い世代にもこのクラシカルな空間は新鮮に映るだろう。実際、昭和を感じるレトロな書体がデザイン好きに受け、キュートなフォントハンティングなる遊びが若手のデザイナーの間ではやっているとか。なるほど。熱海の街の看板などを探すのもいいが、ホテルの施設内だけでもいろいろなレトロ書体を見つけ出せそうだ。

2027年になるとリニューアルプロジェクトも大詰めに。熱海城や熱海トリックアート迷宮館など近隣の観光施設への行き来をよりスムースにするアクセスルートが整備される。これまでは非常口だったホライゾン・ウイング屋上エリアが通路として宿泊者に開放されるのだ。

そしてこの大プロジェクトのゴールとなるのが、2018年まで営業し、ホテルニューアカオのシンボルであった大浴場の復活。ローマのテルマエを彷ふつとさせるようなスパ施設に。サウナや水風呂を新設し、進化した温泉大浴場となる。これはまだデザインは未公表で、プロジェクトサイトにも工事前の画像があるのみだが、かなりの大空間。かつてのホテルの記憶を受け継ぐ、歴史と最新の「整い」が融合する目玉スポットになるという。来年の春が今から楽しみだ。

大海原と一体化するインフィニティ温泉で心身を開放

もちろん27年の大浴場のオープン前でも、滞在中は温泉三昧。館内には趣向の違う3つの温泉があり自由に巡れる。なかでも海と一体化したようなインフィニティデザインの露天風呂「スパリウムニシキ」は圧巻。海のミネラルをたっぷりと含み、美肌に良いとされる泉質が自慢で、起伏に富んだ海岸線が描く景観は息をのむ美しさだ。早朝や夕焼け、夜景など、表情を変えてゆく海の色彩、潮風を感じながら疲れを癒し、心と体を開放しよう。

熱海402号泉(錦浦源泉)の「スパリウムニシキ」と異なる源泉の、熱海196号泉の「彩海」は檜風呂や庭園を望む露天風呂など情緒のある温泉。こちらもまた異なる源泉の「波音」は海まで5mという潮風やさざ波の気配を感じるのが魅力。リラックスして入浴できる家族風呂もあり、様々なニーズに対応している。

ダイナミックな空間もビュッフェのクオリティも別格!

私が一番感動したのは2000㎡の広大なシアターレストラン「メインダイニング錦」からの眺望だ。なんと目の前に広がるのはクリフビュー。錦ヶ浦の絶景が広がり、目の前にはゴツゴツとして迫力満点の崖がどーん!スクリーンに映し出されるのではなく、窓の外でリアルに波がたち、景色が次々と変わっていく。大自然の姿そのものがシアターのように広がるダイニングで、大開口に向き合う。すり鉢状のレイアウトだから、どの席からもクリフビューを満喫できる。

その空間もレトロかわいく、きらびやか。昭和時代の映画に出てきそうなロケーションにうっとりし、意味もなくうろうろしたりした。ここは朝食、ランチ、夕食でビュッフェ形式の料理を提供している。その種類たるや!静岡県の旬の地魚やキッズが大好きなパンケーキやドーナツなども含め、朝食は約70種、夕食は約90種類以上の和洋中のメニューがずらりと並び壮観だ。9月1日からメニューが変わり、シチューなどの煮込み料理や秋の果実のデザートなどの秋の味覚を堪能する料理が充実する。新幹線や消防車などのプレートを選んで、オリジナルお子様ランチをつくれるのも楽しい。キッズたちに交じって自由に盛りつけたくなる衝動を抑えるのに必死だった。

ランチはミナミマグロ丼やハンバーグ、ラーメンなどのメーンディッシュを選ぶハーフビュッフェ。昭和レトロなオムライス×ナポリタンプレートには、緑が鮮やかなクリームソーダもついてくる。1人500円で予約できる。キャンディルームはピンクに包まれたキュートな空間。コットンキャンディ(綿菓子)マシーンもあったりしてなんともフォトジェニックだ。

9月、10月は穴場の熱海 夏の名残を惜しむ休日の旅も贅沢

まさに今、アップデートされつつあるホテルニューアカオのリニューアルプロジェクトを目の当たりにして、時代に合わせた快適化というだけではなく、空間の「レトロかわいい化」を推進しているのだなあと感じた。「メインダイニング錦」のテラスエリアやキャンディルーム、ラウンジやダンスホールもみんなレトロでフォトジェニック。実際にその場に生き、写真におさめたくなる「舞台装置」のようなかわいさなのだ。同じく海を見渡すフレンチレストラン「ボヌール」も、秋に改装予定。さらにレトロかわいさが増すのか楽しみだ。

夏休みのシーズンが終わり、熱海は少し静寂を取り戻す。まだ夏の名残を感じ、できなかった夏らしいアクティビティーもまだ味わえる。まだ残暑が過ぎる前の9月に、レトロかわいい熱海へ、この夏の忘れ物を探しに行くのもいい。

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