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「独立して見たい景色を目指して。人を想い、なりたい私をぶっ放す」 Vol.2「自分、不器用じゃないですから(笑)」

 さてVol.2は、前回から持ち越した私の「屋号」についてを恥じらい全開でいっちゃいます!と、その前に、ちょっと挟みたい話がありますの~w。

 「なぜ、ファッション業界を選んだの?」。

 そんな楽しい問いの掛け合いを今まで何度もしてきました。その答えはそれぞれが持っていて、私自身と近い考えの人もいれば、全く想像しなかった理由なんてのもありました。

 それは当然ながらデザイナーやMD、プレスにエディター、セールス、バイヤー、販売スタッフまで、担っている領域が違えば、それぞれに想い描いている仕事がありますから。

 そして担当領域が違う人ほど、「どうして~?なんでなんで~?何それ教えて~!」なんて話が盛り上がって、時間を忘れちゃって、終電逃したことは数えたらキリがありません。

 きっと誰もに何か特別な心持ちがあって、目指すものもボンヤリと、またはハッキリと頭の中にはあるんだと感じてきました。それがもしかしたら、他者とは全く別なのかもしれないって思うとワクワクしませんか?

 でも、ほとんどの人が口にする言葉っていうのもあるんです。「○○好きなんだよ」「○○はイヤなんだよ」「○○したいんだよ」「○○って思うんだよ」「○○になったら最高よね」とか。でその後には大概、「だから今、○○してるのよ」って話が続きます。何年もお付き合いさせてもらった大先輩方は、そんな信念みたいなものをかならず持っていました。

 やっぱりね、自分の意見を自分の言葉で表現している人、その意見を自分の行動で体現している人は、カッコいいし、何より〝強い〟。

 だからいつまで経っても心揺さぶられちゃうし、憧れちゃう。「もう何なんだよ。結局は大好きなんだっての~」って反省しながら、膝抱えて、始発にさんざん乗らせていただきました(笑)。

 一方で、それよりも数多く聞かれ続けてきたことがありますの。

 「どうやってバイヤーになったの?」。

 いろんな思惑の中でコレ聞かれるの、まぁシンドイところがあるんですよね(笑)。きっと想うところがあって、興味も少し手伝って問いかけてくれるんですが……。

 ある日呼び出されてね、異動になってね、突然バイヤーになったんですもの。ほかに何にもないのよ(笑)。それくらいしか答えられないことが多々ありましたね。アシスタント経験もない、セレクトショップ経験もない、ましてバイヤー業務も何も知らない状態ですよ(笑)。カッコよくて、経験十分で、人となりがわかるようなバックボーンがあるわけではなかったので、相手にとっては期待外れなところばかりだったかもしれないですね。イロイロ辛い経験もあるけれど、やるしかなかったからね、当時の私は。きっと辞令をお決めになったボスには意図があり、さまざまをガマンしながらもその期待を成果として上げられる人間がボクだったんだと、勝手に思い込むようにしてました。

 百戦錬磨の諸先輩方に追い付けはしなくとも、少しでも距離を縮めるにはどうしたらいいんだーーー⁉︎ってテンパっておりました。結果、皆が寝静まる時間に新しいことを学ぼうと見切り発車しまして、「寝る前に自分の知らないことを1つ覚える」ルールは、13年目に突入しております。

 前置きが長くてすいません(笑)。

 今回は「屋号」についての話でした。「1H basix(ワンエイチ ベイシックス)」って言うんだけど、コレ、前述の若いころに想っていたことの呼称なんです。たいそうなことではないのだけれど、私にとっては普遍的な意味合いもあり、10年以上守ってきた事です。

 まず1H(ワンエイチ)は、【まず第一にHappyであること】【自分が先陣を切って1番に、Happyでいること】。ファッションって、お洋服って、すべて人が創るモノでしょ。好き・嫌いの選択とその喜び、なりたい自分になって人に見られ、褒められ、喜び、感じて。だからまず、ファッションのお仕事をしている人間がHappyじゃなきゃいけないし、自分がそれナシでお洋服を触っちゃいけない。楽しく生きたいと想うのです。だってさ、半分くらいは未来のお仕事でしょ?半年前には来シーズンを考えて、近い未来のお仕事をしてるんだもの。例えば、「来シーズンはどんなクリエイションで、どんなルックがかわいいかな~」って。クリエイターはその創造がすごいですよね~。

 次に、basix (ベイシックス)は、【 Fashion mind、Friendship、Freedom 、Funny、Functions、Footwork 】という“6つのF”を自分のベーシックとしてきたのでベイシックス。自分のルールというか、スタンスというか。「なんだ~、くっつけただけかよ~」って声が聞こえますが、小ダサい感はお許しください(笑)。

 ファッション業界にいて甘っちょろくHappyを掲げるには、かなりのエネルギーと覚悟が必要なのでした。。。常に何を見て、感じて、選んで、私生活においても全てにFashion mindで臨み、多くの人とテンション高く、楽しく、Friendshipを持って、誰をも好き嫌いで仕分けなんかしないで興味を持って多くを共有し、自分のキャパシティーの外側を教えてもらって。自由な発想と意見を意志を持って発し、会社員だとしてもFreedomな視点と方法論でチャレンジする。頭の中にはいつも疑問符を持ってFreedomに想像してみるんだよ。でもファッションやるなら、Funnyが人にもお洋服にも、なんなら会議にもなきゃダメなんだって。じゃなきゃつまんないじゃんね!お客さまをワクワクさせられないよ~って!そんで関わっている仕事や人により良く作用(Function)できて、お洋服だって効用(Function)を持てて、今、そこにいる誰もが代わりの利かない“1”なんだって。気に入って買ったそのお洋服だって、代わりの利かないピースなんだって。

 プロフェッショナルなんだって、いつかなりたいよね。ホントにHappyじゃん。

 それにはまず私自身の行動から、地に足つけてFootworkを俊敏に持ち、basixを体現し続けることを大事にしたいんだよね。行動で体現しなくては、いくら想うことあっても明日は何も変化しないじゃん。

 なんてね、お恥ずかしい話でした~(笑)。

 なんか長ったらしく、暑苦しく、ガタガタと筆圧強めで勝手なお話でしたけど、ホントにずっとこれらは大切にしてきたはずなのです。決して変えたくないし、信じているわけです。

 ファッションの持つエネルギーの大きさはたくさん教えてもらったし、実際に肌がピリつくほど体感もした。本気の現場では目が血走るほどの熱い視線と、「本気の好き」がほとばしる会話があって、その渦中に私たちもいるんだとカラダに力が入って自覚するのよ。

 ファッションに携わる一生懸命な真剣さっていつ何時も胸熱なのです‼︎

 国家資格か何かを持たなきゃやれない業界ではないしね、腕一本勝負だからね、私たちが圧倒的なエネルギーで圧倒的なコミュニケーション能力で、いつのシーズンも人をワクワクさせてHappyにしてみせるのよ。

 百戦錬磨の諸先輩方に負けないほど、1H basixを体現して恩返しをぶっ放してやるっていう覚悟の表明でございましたm(-_-)m。

井上智和:1981年生まれ。東京生まれ東京育ちのCITY BOY。中央大学商学部を卒業後、三陽商会に入社し、店頭研修後に「バーバリー・ブラックレーベル」で販売トレーナー及びVMDを担当。3年目の終わりに「ラブレス」に異動しバイヤーに。国内外ブランドの開拓・買い付けをしながらセレクトショップの運営を学び、直近はバイヤーの他にプレス・販促・販売の長を兼務しながらリテール事業を経験。15年在籍の後に退社し、現在は「1H basix(ワンエイチ ベイシックス)」の名を冠して独立。ファッション・ライフスタイル領域のセレクトにて、アドバイジングやディレクション、買い付けを行なう傍ら、大人の本気遊びを体現し記事執筆を行う