フォーカス

がんばれラグビー日本代表! それと同じぐらい気になる時計「チューダー」の売れ行き

 ラグビーワールドカップ(以下、RWC)の日本対南アフリカ戦がまもなくキックオフとなる。2015年にイングランドで開催された、前回大会の“奇跡”の再現を望むファンが多いだろう。高校ラグビーにとっての甲子園である“花園”に14大会連続49度目の出場を目指す山梨県立日川高等学校出身の僕も気が気でないが、「WWDジャパン」の時計担当としてはもう一つ気になることがある。それがオフィシャル・タイムキーパーを務める「チューダー(TUDOR)」への好影響だ。

 「チューダー」は18年に日本ロレックスによる展開がスタートし、19年9月には銀座・並木通り沿いに日本初の路面旗艦店をオープンしている。

 テレビの前で日本代表に声援を送っている人なら、得点表示の下に“TUDOR”の盾のロゴを見ているはずで、熱戦をさばくレフェリーが試合中に身に着けているのも「チューダー」の“ブラックベイ クロノ(BLACK BAY CHRONO)”だ。特別にラバーストラップ仕様にしたもので、裏蓋にはRWCのロゴをエングレービングしている。非売品で、23人のレフェリーのみに提供された。

 露出も注目度も抜群。では実際、売り上げに変化はあるのだろうか。渡辺尚有「チューダー」ブランドマネージャーは、「RWCの開幕と『チューダー』銀座店のオープンのニュースが時を同じくしており、どちらの効果が大きいかは測りかねるが好影響は出ている。このタイミングで“初めての機械式時計”を購入するお客さまが増えている。今の市場は“Substantially Valuable(実質的に価値のあるもの)”に優位性を認めており、その中で『チューダー』が選ばれていることは光栄だ」と話す。

 「チューダー」は1926年にスイス・ジュネーブで創業。“時計の王様”である「ロレックス(ROLEX)」の弟ブランドにあたる。2017年にRWCを主催する国際競技連盟・ワールドラグビーと7年間の契約を締結した。19年および23年のRWC、21年の女子RWC、18年と22年のRWCセブンズ大会、毎年開催されるワールドラグビーU20チャンピオンシップでオフィシャル・タイムキーパーを務める。“オールブラックス(ALL BLACKS )”の愛称で知られる、ニュージーランド代表とも17年からパートナーシップを結んでいる。

 “一生、高級時計とは縁がない”――そんな人が大勢を占めるはずだ。僕も時計担当にならなければ、その一人だったかもしれない。僕を含む、にわかラグビーファンによる熱狂の中で「チューダー」を知り、少しでも興味を持つ人がいれば、それはブランドマーケティングとして大成功だ。高額商品の購入には背中を押す“何か”が必要で、アジア初開催となった今回のRWCは打ってつけと言える。シンプルだけどエモーショナルな戦略にまんまと乗り、僕も“ブラックベイ クロノ”に次のボーナスを捧げてもいいかもしれない……と思案中だ。