「天国から地獄へ」という事態が4月2日夜、スイス時計発祥の地ジュネーブで起きた。前日に始まった世界ナンバーワンの時計フェア「ウオッチズ・アンド・ワンダーズ・ジュネーブ 2025(以下、WWG2025)」の空気は、一夜で一変。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が異常な関税政策を発表したからだ。発表直後に「交渉のための90日の猶予期間」が付いたものの、同政権がスイスからの輸入品に課すと宣言した関税率はなんと31%。まずは即座に10%の関税を掛けるという。(この記事は「WWDJAPAN」2025年4月28日&5月5日合併号からの抜粋です)
全部で60の時計ブランドが出展した「WWG2025」は当初、昨年同様の盛り上がりを見せていた。各ブランドの新作は、「ロレックス(ROLEX)」の新コレクション“オイスター パーペチュアル ランドドゥエラー”(こちらの記事参照)を筆頭に、例年より数は少ないが、本領を発揮した秀作ぞろい。世界的なF1ブーム(こちらの記事参照)の中、「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」や「IWCシャフハウゼン(IWC SCHAFFHAUSEN)」は車と関連コレクションを展示。「チューダー(TUDOR)」もF1コラボモデルの5月発表を予告するなど、盛り上がった。しかしトランプ米大統領の“狂気の関税政策”で、スイスの時計産業に“存亡の危機”が訪れるかもしれないという不安が募った。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。