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2020年春夏パリコレ2日目のハイライト 「ディオール」が高らかにサステナ宣言、「サンローラン」はパリシック全開

 パリコレ2日目は、「ディオール(DIOR)」や「サンローラン(SAINT LAURENT)」などがパワフルなショーを見せ、若手「「マリーン セル(MARINE SERRE)」もスマッシュヒットを飛ばした。

ディオール(DIOR)

DESIGNER/マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)

 リリースの冒頭には「考えなければならない。私たちがすべきことを」というメッセージ。それは、「ディオール」が地球環境へ配慮した活動を本格始動させる宣言だ。今季の着想源は、ムッシュ・ディオールの妹であるカトリーヌ・ディオール(Catherine Dior)の写真。庭師でもあったカトリーヌが手入れしていたディオール家の庭園の植物やそこに生息する生物などからヒントを得た。

 会場演出は、園地栽培に取り組むアーティスト集団、アトリエ コロコとの協業でテントの中に原産地が異なる木々を配して森を再現。それらはショーの後には移設し街づくりに生かされるという。“ガーデン”は「ディオール」の象徴だが、現代の“ガーデン”は単に花を愛でるのではなく、生態系に配慮し育てつつ愛するという力強いメッセージが伝わってくる。

サンローラン(SAINT LAUREN)

DESIGNER/アンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)

 今季もエッフェル塔を臨む特別野外会場でショーを行った。夜空を突き刺す光の柱の間を歩いてくるモデルは、ボウブラウスにコンパクトなタキシードジャケットという、これぞ「サンローラン」なスタイル。ラメジャカードのボヘミアンドレスを挟みつつ、最後はキラキラと明滅するエッフェル塔を背景にもう一度ドレッシーなスモーキングルックを見せる。トレンドがどう変わろうと、“パリシック”とはこれなんだと見せつけるようなパワフルなショー。自信みなぎるナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)のウオーキングでフィナーレ。春夏なのに、思わずロングブーツが履きたくなる。

マリーン セル(MARINE SERRE)

DESIGNER/マリーン・セル(Marine Serre)

 これまでもサステイナブルや環境問題をテーマにしてきたが、今季はより大きく一歩を踏み出した印象。気候変動や熱波、大量絶滅など世界の終焉を地下深くで生き延びた人類を主人公にした架空の物語を設定。気温が上昇し、油と水で荒れた地に戻り、環境に適応し力強く生きる種族を描いた。

 最初の種族は油にまみれたような黒の服。シグニチャーの三日月柄を型押ししたレザーやプラスチックをリサイクルしたエナメル調のフィールドコートなどを着る。2番目の種族は砂漠で生きるため、赤とブラウンのジャカードの服を着ている。得意のスカーフを用いたドレスは、ダイバースーツと合体させた。3番目の種族は、旧世界のものを再利用。テーブルクロスを再利用した大きなかぎ編みのニットや、ベッドシーツをアップサイクルしたドレスなどが登場する。気温が上昇した世界故、スーツもタオル生地だ。