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ヨウジの「ワイズ」が5年ぶりのランウエイ 未来とクラシックを織り交ぜ、創り出した異空間

 ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)社の「ワイズ(Y’S)」は5月25日、5年ぶりとなる東京でのランウエイショーを表参道ヒルズで開催した。ショーは前座として文字通り「ゼンザ(ZENTHE)」と名付けられたコレクションと、5年前のショーでも協業したイタリアの素材メーカー、アルカンターラ(ALCANTARA)社の素材を用いたカプセルコレクションの2部構成で進んだ。

 表参道ヒルズ内にある「ワイズ」旗艦店で行われた第一部の「ゼンザ」では、ジェンダーレスライン“ワイズ バングオン!(Y’S BANG ON!)”の新作を発表。ミリタリー色の強い15着のコートが主軸のコレクションを披露した。パターンはメンズ仕様の5型がベースだが、ネイビー、ブラック、カーキ、レッドといったカラーリングのほか、紐や糸を垂らしたり、ファーを各所に使用したりといったディテール、そしてウールやヘリンボーンなどの素材でバリエーションをもたせた。

 “ワイズ バングオン!”は2018年8月にスタートして以降、同じ型を数種類の生地違いで生産し、それぞれの型にはナンバリングを施している。今回のコレクションで発表したコートには、ランウエイでのルック順に1~15の番号をナンバリングし、6月2日まで、「ワイズ」表参道旗艦店で展示を開催中だ。アイテムは全て一点モノで、7月初旬ごろに店舗で販売予定だという。

 第二部のショーは、表参道ヒルズのスペース オーに場所を移し開催。全30ルックのうち、21ルックにソフトな手触りが特徴的なアルカンターラ社の人工皮革素材を採用。クラシックでありながら、未来的なファッションという「ワイズ」のシーズンテーマを同社の素材を用いて表現した。

 特徴的だったのは、メタリックシルバーのアウターだ。ショー全体を通じて度々打ち出すことで未来感を表現した。一方で、ブラウンやカーキといった温もりのあるアースカラーのコート、ニット、パンツなども披露。シワ加工やパッチワーク、ダメージ加工などのディテールも土臭さを感じさせる。さらにランウエイに足跡を施し、音楽にはジャズを選ぶなど、演出面でもクラシックを表現。未来的なものとクラシカルなものをさまざまに織り交ぜることで、異空間を生み出した。

 「前回のコラボよりもさらに『ワイズ』の色が出ていて感動した」とアンドレア・ボラーニョ(Andrea Boragno)=アルカンターラ社会長兼最高経営責任者。高級車の内装などで有名なアルカンターラ社だが、「ファッション分野の売り上げは全体の15%程度と大きくはないが非常に重要だと考えている。ライフスタイルブランドとしてのブランド価値を上げるには『ワイズ』のような有名ブランドとのコラボはとても重要だ」と語った。

 「ワイズ」とアルカンターラ社のカプセルコレクションは今年の秋、表参道ヒルズの旗艦店を皮切りに日本国内の「ワイズ」店舗の一部で販売予定だ。