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「エズミ」江角泰俊と“眼鏡兄貴”外山雄一とのコラボはどうして生まれたか?

 江角泰俊「エズミ(EZUMI)」デザイナーは、ブランドの世界観を構築する重要な要素として、2019年春夏コレクションではアクセサリー類の充実に力を入れた。中でもこだわったのは、ルックの象徴的なコーディネートにも取り入れた眼鏡で、公私ともに親交がある外山雄一「ユウイチトヤマ.(YUICHI TOYAMA.)」デザイナーとのコラボレートで製作した。2人にファッションアイテムとしての眼鏡の重要性を聞いた。

WWD:2人の出会いは?

江角泰俊「エズミ」デザイナー(以下、江角):若手デザイナーの活動を支援する目的で文化学園が運営している渋谷の施設「文化ファッションインキュベーション」に、お互いのオフィスがありました。眼鏡デザイナーに出会ったのは初めてで、それ以来、兄貴分として公私ともに親しくしてもらっています。どちらかと言えば、プライベートで会う方が多いかもしれません(笑)。

外山雄一「ユウイチトヤマ.」デザイナー(以下、外山):当時は、天津憂・元「ハナエモリ マニュスクリ(HANAE MORI MANUSCRIT)」デザイナーや中島敦「アツシ ナカシマ(ATSUSHI NAKASHIMA)」デザイナーなど、目覚ましい活躍をしているクリエイターが同施設に集まっていましたが、私はそこで唯一の眼鏡デザイナーというニュートラルな存在でしたのでみなさんと仲良くできました。そして2013年、3人とそれぞれコラボレートした眼鏡を制作し、江角君とは今回が2回目となります。

WWD:外山氏とまたコラボレートしたいと思った理由は?

江角:今シーズンはコラボレーションを強化し、バッグ、ジュエリー、そして眼鏡など、服を際立たせる周辺のアイテム作りを強化しました。自分のスタイリングを組み立てる中で、眼鏡はとりわけ重要なアイテムだと感じて、私から外山さんにオファーしました。外山さんはグローバルに活動し、日本のモノ作りを大切にしつつ、世界に通用するコンテンポラリーなセンスを持っています。現代的で洗練されているクリエイションが持ち味で、私も彼の作業の姿勢を見て学ぶ点が数多くありました。外山さんも私もブランディングを再考していた中で、お互いの方向性に共通点がありました。

WWD:お互いが感じている共通点とは?

外山:江角君の作品は自分のやりたいことだけを表現するのではなく、クリエイションと市場性のバランスのよさを感じます。その点は私も心掛けていることで、お互いが見る対象やスタンスなどが共通しています。このコラボレーションは、双方のクリエイションを発展させることができる絶好の機会になりました。

WWD:眼鏡デザインの面白さは?

江角:服以上に制限があるモノ作りのプロセスの中に、他との違いを見せる難しさと楽しさがあります。今回のコラボレーションモデルは、従来のナス型ではない、ありそうでなかった新しいアビエータースタイルをデザインしました。日本製で、カラーは特注です。

外山:過去のモデルの焼き直しではなく、コラボレーションだからこそ生まれたデザインです。日本だけでなく、ヨーロッパでも売れると思います。私にとっても、眼鏡作りと服作りの違いが刺激になりました。これを機会に、トータルファッションの中における眼鏡の楽しみ方が消費者に伝わればと思います。

WWD:「エズミ」は“世界”を向いている?

江角:ビジネスは日本中心ですが、パリで展示会を行い、販売先は海外にも広がっています。2~3年後、海外に本格的に進出したいと思います。