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ミウッチャがユマ・サーマンを指名! ケイティ・グランドに聞く「ラブ」マガジン10周年の秘話

 創刊10周年を迎えたイギリス発のファッション雑誌「ラブ(LOVE)」(英コンデナスト)の記念パーティーがドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)5階の「プラダ(PRADA)」スペースで開催された。「ラブ」編集長で、「プラダ」「ミュウミュウ(MIU MIU)」などのショーのスタイリングを手掛けるスタイリストのケイティ・グランド(Katie Grand)が来日し、パーティーでは本誌にサインをしたり、記念撮影に応じたりとファンとの交流を楽しんだ。

 ケイティを長く知るエイドリアン・ジョフィ(Adrian Joffe)=コム デ ギャルソン インターナショ ナルCEO兼ドーバー ストリート マーケットCEOは「世界で一番素晴らしいスタイリストの一人だ。10年前に彼女が雑誌を作ると聞いた時にとてもワクワクしたのを覚えている。『ラブ』はクリエイティブで個性に溢れていて、毎号メッセージ性がある。今の時代、毎号楽しみにできる雑誌はとても貴重な存在だ」と称える。10年前に「ラブ」の創刊パーティーをロンドンのドーバー ストリート マーケットで行った経緯があり、これまでも「ラブ」とドーバー ストリート マーケットは何度かイベントを企画してきた。

 数種類ある10周年の表紙には、ユマ・サーマン(Uma Thurman)、ジジ・ハディッド(Gigi Hadid)、ケンダル・ジェンナー(Kendall Jenner)に加え、「ラブ」がSNS上でオーディションを実施して選んだハワイ出身のタリア・リシェツキ(Talea Lischetzki)を起用している。来日したケイティに同号の見どころを聞いた。

WWD:「ラブ」創刊10周年を迎えた感想は?

ケイティ・グランド(以下、ケイティ):本当にあっという間だった。年2回の出版だけれど、日々更新しているウェブ、ユーチューブ、インスタグラムも充実していて、ポジティブに時代の変化を楽しんでいるわ。

WWD:10周年記念号の見どころは?

ケイティ:古くからの付き合いのミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)に「記念号で何がしたい?」と聞いたら、「ユマ・サーマンを撮影してほしい」とリクエストがあったの。それでユマに「プラダ」のアーカイブを着こなしてもらい、フォトグラファーのウィリー・ヴァンデルペール(Willy Vanderperre)に撮影をお願いした。ミウッチャは、面白くてスマートなユマの大ファンなのよ。6月に開催した「ミュウミュウ」2019年プレ・スプリングのショーでも女優たちを起用したいという話になり、ユマにも歩いてもらうことになって、この企画に連動した形になった。他にもカイア・ガーバー(Kaia Gerber)の撮影では「サンローラン(SAINT LAURENT)」とのコラボシューティングもあるし、インスタグラム上では人気アーティストの「@crispino21」や「@hey_reilly」「@melovemealot」による表紙のコラージュを楽しめるわ。

WWD:インスタグラムでの企画が豊富だ。10周年のカバーモデルを発掘する「#LOVEME20」というオーディションを開催した。

ケイティ:ハッシュタグ「#LOVEME20」でカバーモデルを募り、優勝すると「ラブ」の表紙とモデル事務所のDNAと契約できるという企画で、審査員はモデルのナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)、リンダ・エヴァンジェリスタ(Linda Evangelista)、アジョア・アボアー(Adwoa Aboah)らにも参加してもらったの。優勝者のタリア・リシェツキは満場一致で決まったわ。最終選考会場で彼女に会ったとき、特別目立っていたわけではなかったけれど、カメラの前に立つと雰囲気が変わって、自然体なのにプロ意識を持っていると感じたの。応募者の中で彼女は最年長の23歳で、他の子たちよりも仕事の厳しさや責任感を知っているようで、後から聞いた話によると、彼女は「数年モデルを目指していたけれどうまくいかず、これが最後のチャンスだと思って応募した」というの。彼女の夢をかなえることができて私たちもうれしかった。表紙を含め、この企画では「シャネル(CHANEL)」に協力してもらったのよ。

WWD:ケイティのようにスタイリストを目指す人や、ファッション雑誌に携わりたいと考えている人にアドバイスをするとしたら?

ケイティ:“Just do it(とにかくやってみること)”ね。今の時代は、私がキャリアを始めた頃よりもチャンスがつかみやすくなっていると思う。雑誌を作るとしても何千、何万部と刷るのではなく、数十~数百部で特別感があるものが求められる。デジタルやSNSが発達して、ビジュアルの“賞味期限”が短いことは弱点だと思うけれど、多くの人に見てもらえる機会も増えている。ビジュアル作りは、同じ興味を持つ仲間を見つけて、一緒に取り組むことが大切ね。スタイリストを目指すのなら、お金がなくても古着のコーディネートや、カスタマイズをすることから始められると思う。とにかく、思うままに表現をしてみることね。