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「3日で2000フォロワー増」 “give away”キャンペーンから考えるインスタの潜在力

 インスタグラムの“give away”というキャンペーン方法をご存知でしょうか。それは、ある企業アカウントをフォローしてくれたユーザーにプレゼントやインセンティブを贈るという、いわゆるプレゼントキャンペーンです。これがかなりのポテンシャルを秘めていそうだなと思うのです。

 僕がこの仕組みについて知ったのは、画像販売ツールを運営するスナップマートで働きながら、フォトグラファー、インフルエンサー、ライターとしても活躍する川北啓加さんがきっかけでした。彼女が自身のインスタグラムで“give away”キャンペーンに参加していて、それだけでは「単なるPR投稿かな?」くらいに思っていたのですが、その仕組みと可能性について、自身のnoteで言及していて、これが非常に興味深いのです。

 “give away”キャンペーンのやり方自体は非常にシンプルかつアナログです。例えば宿泊券のプレゼントキャンペーンがあるとします。これに参加するには、とある企業アカウント(A社、とします)が指示するアカウントをフォローするだけなのです。そして、アカウントを拡散してもらうために、インフルエンサーに投稿を依頼するのだそう。でも、これだけなら普通のフォロワーを増やす施策に見えますよね。では、何が違うのか。

 まず、企画に参加するインフルエンサーが複数います。そして、A社はその全インフルエンサーをフォローしています。その上で、「A社がフォローする全アカウントをフォローすることが条件です」と告知してもらうのです。そうすると、参加したインフルエンサーは、自分以外のインフルエンサーのファンからフォローされることになるのです。つまり、A社としては自社アカウントのキャンペーンをたくさんのインフルエンサーに拡散してもらえるし、インフルエンサーとしても他のインフルエンサーのファンから多くのフォロワーを獲得でき、ユーザーにとってはプレゼントを受け取れるのです。

 ここで重要なのは、お金のやり取りが発生していないということです。よくあるPR投稿といえば、インセンティブをインフルエンサーに与えることでPRしてもらうものですが、ここでは無償で依頼する代わりにフォロワーが増えるという特典があるのです。お金をかけずにみんながウィンウィンになれる施策だ、ということです。しかも川北さんいわく、「同じキャンペーンに参加するため、似通った趣向を持つフォロワーが多く、キャンペーン後もファンになってくれやすい」といいます。

 もう1つ特筆すべきは、キャンペーンの参加条件として、「一緒に宿泊したい人をタグ付けしてコメントしてね」という依頼をすることができるということです。これによって、フォロワーでない人にもさらにキャンペーンを拡散してもらうことができるのです。ツイッターでいうリツイート機能がない閉鎖的なSNSであるインスタグラムにおいて、外部機能を使うことなく、自分以外のフォロワーにフォローしてもらうチャンスを作れる“アナログなリツイートキャンペーン”だということです。これは画期的。

 海外では数年前から存在した“give away”キャンペーンですが、日本ではまだまだ普及していないことも事実です。おそらく仕組みをインフルエンサーが理解していなかったり、フォロワーも「なんか怪しいPRなんじゃないの?」と感じてしまう人がいるからかもしれません。きちんとキャンペーンを実施すれば、企業にとってもファンを獲得できるチャンスだということですね。「お金をかければファンが増える」というフォロワー至上主義の時代から、「お金をかけなくてもきちんとファンを獲得できる」時代に変わったということです。

 もちろん、“give away”キャンペーンもPR投稿であることに変わりはないのですが、金銭のやり取りがなく、非常にクリーンな方法でインスタグラムを活用してファンを増やす仕組みだけに、まだまだインスタグラムにも新しいポテンシャルがあるんだなと実感した例でした。

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