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45万店舗・400万ダウンロード、BASEが生み出した“個人デザイナー”という巨大市場

 BASEは2012年に個人デザイナー向けのEC構築・決済サービスとしてスタートした。出店費用はかからず、注文ごとに売り上げの3.6%+40円+サービス利用料3%を支払うというシンプルな構造が奏功し、創業から5年でショップ数は45万まで増加した。しかも、大半がファッション分野という。芸能人が手掛けるブランドの出店も相次ぎ、個人向けECサービスとしてはBASEが圧倒的なシェアを誇るまでになった。現在の年間流通額は数百億規模。BASEはなぜこれほどまでに成長できたのか。家入一真CAMPFIRE社長や山田進太郎メルカリ会長とも親交が深い鶴岡裕太BASE最高経営責任者(CEO)に話を聞いた。

WWD:あらためて、BASEの創業経緯とは?

鶴岡裕太BASE最高経営責任者(以下、鶴岡):母が大分でアパレルの小売をやっているのですが、当時実家に帰った時に「ネットで洋服を売りたい」と言われて。僕としては「『楽天(市場)』でも使えば?」という感じだったのですが、どうやらお金も時間もかかるし、難しくてできないと。この時に地方の中年層の人々でもネットでものを売りたいと思っていることに驚き、誰でもブランドを作って世界中にモノを売れる時代になるだろうと思いました。そこでまずは1人でサービスを作り、投資家にも支援をいただいて法人化した形です。

WWD:決済をメーンにしたアプリに目をつけた理由は?

鶴岡:学生時代から人に使ってもらえるプロダクトを作りたくて、ざっくりと決済や金融分野に興味がありました。当時は「ペイパル(PAYPAL)」とかが流行っていて、決済サービスであれば世界中のほとんどの人がターゲットになるのではないかと考えたからです。

WWD:“STAY GEEK”という企業哲学の意味は?

鶴岡:勉強ができるエリートはいいビジネスこそできるかもしれませんが、いいプロダクトを作るためには好奇心を持って挑戦できる“ギーク(オタク)”と呼ばれる人の方が強いはず。企業として、ユーザーに喜んでもらえるという世の中への貢献度が重要だと思うのですが、それはいわゆるエリートではなくこだわりのある人にこそできるのではないかと思い、“STAY GEEK”を掲げています。

WWD:2016年9月にスタートしたアプリがすでに400万ダウンロードという驚異的な伸び率ですね。

鶴岡:ショップのブランディングを頑張ったことはもちろんですが、出店ショップの力が強いですね。45万ショップなので、単純に1ショップが10人のファンをつけてくれれば合計450万人です。今後も伸びていくと思います。

WWD:なぜ、芸能人の出店も多いのか?

鶴岡:こちらから営業をかけているわけではなく、自発的に使ってくれることが多いんです。公開されてニュースになってから、「これ、BASEだよね?」となることも(笑)。そもそも毎月1万ショップくらい増えるんですが、その99%くらいが口コミによって自発的に増えているものなんです。