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ヤング市場のトレンドセッター、バロックの反省 マーケティング力高め、顧客ニーズに向き合う

 バロックジャパンリミテッドは9月15日、2017年2~7月期連結決算会見を行った。ブランド売り上げ全体の約4割を占める「アズール バイ マウジー(AZUL BY MOUSSY)」の春のリブランディングの不振などが響き、既存店売上高は前年同期比11.1%減。営業赤字に陥った。村井博之・社長は「非常に不甲斐ない結果になった。努力が足りないところを修正していく」と挽回を誓った。

 「アズール」は、再度リブランディングを検討する。今回特に苦戦した地方店と堅調な都心店のそれぞれで、ワンMD(統一MD)から店舗特性ごとに適応するマルチMDへとシフトする。これに加え、他社ブランドと価格競争力をつけるために価格を見直す。「『アズール』の価格帯は、モールブランドの中で最も高いゾーンにあったが、もともと安価だった海外SPAが価格を上げ、同じくらいまたは『アズール』よりも高くなっている。『ジーユー』などもよりリアルクローズに近い服を増やしてきた。高品質の『アズール』がリーズナブルという認知が薄れてきてしまっていた。モールビジネスの現場が大きく変化する中で、これからは戦うための価格戦略。品質は維持したまま安くしていく」考えだ。

 下期最大の課題とする既存店売上高の回復については、出店拡大に依存した成長モデルを見直し、大量投入の商品値引きの従来型ビジネスからの脱却を図る。“理想的”店舗モデルを構築するため、VMDの強化や差別化できる商品開発力、人材強化に加え、国内は店舗拡大ではなく、eコマースを軸にしたオムニチャネル化を掲げる。「急激な店舗拡大ではなく、いかに革新的なアイデアでeコマースを作り、店舗と連動していくかが課題だ」。既存店の月別売上高の伸長率を見ると、昨年2月以降、前年をクリアした月がなく、上期は2ケタ減の月が多い。直近では8月の売上高は前年同月比5.9%減だったいうが、「秋に向け確実に回復傾向にある。(上期の)営業赤字は過去12年のうち半分以上は経験があるが、下期で数字を取ってきた。大きなショックではない」と答えた。

 「マウジー」「スライ(SLY)」「リエンダ(RIENDA)」など、特定のコアなファンを持つ半面、顧客のニーズを反映した商品作りは十分にはできていなかったことを村井社長は弱点とみる。「われわれはトレンドセッターとして発信していくことは得意だが、お客さまニーズを捉え、それを商品化までつなぎきれていなかった。最近は大きなトレンドにならない、大きなトレンドが作れない。マーケット全体で、ヒットが作れない中で同質化してしまっている。若手社員や店舗スタッフなどの若い吸収力も活用し、よりマーケティングに応用していく」。

 この秋には、新たにポイント会員サービス「シェルター パスポート(SHEL’TTER Passport)」を導入する。これまでブランドごとに行っていた販促の無駄をなくし、ブランド間の買い回りを期待。また、ブランドの店舗やEC、カタログ雑誌の通販の共通ポイントの付与により、購買率アップと顧客データを活用した消費者個人のニーズを捉えたマーケティングを強化する。

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