ビジネス

バロック村井社長 「セール短縮は失敗」でも基本方針は変えず

 「第4クオーター(2016年11月~17年1月)は失敗した」――。バロックジャパンリミテッドの村井博之・社長は16日に開催された16年度決算会見で、そう振り返った。

 同社はプロパー販売の強化を掲げ、1月15日にセールを終わらせ、早々に春物のプロパー商品に切り替える施策を実施。魅力的なプロパー商品であれば、先物買いの消費者に理解されると目論んだ。だが、実際には冬物を求める客が圧倒的で、1月の既存店売上高は前年同月比14.2%減に沈んだ。村井社長は「天候も悪く、時期尚早だった」「投入時期は実態に合わせて妥協せざるをえない」と見直しを決めた。

 それでもセール期間を短縮し、プロパー商品を強化する基本方針は変えない。特に「アズール バイ マウジー(AZUL BY MOUSSY)」「ロデオクラウンズ ワイルドボウル(RODEO CROWNS WIDE BOWL)」などショッピングセンター向けのブランドでは、価格に対しての商品価値を大幅に高める。商社を通さず、直接アジアの工場に発注する直接貿易比率を高めることで、低コスト・高品質の商品を作る。提携先である中国ベル・インターナショナルの生産ネットワークを活用し、「H&M」や「ザラ(ZARA)」などのグローバルSPA(製造小売り)に負けないSCM(サプライチェーンマネジメント)を構築したい考えだ。

 キヤノン出身というアパレルトップとしては異色の経歴の村井社長は「私はメーカーにいたので80年代の技術革新が産業を変える歴史をリアルに経験してきた」「モノ作りや物流を徹底的に見直し、売れるかもしれない商品ではなく、自信ある商品だけをきめ細かく提案する」と話し、SCM戦略が今後の同社の成長のカギになることを強調した。

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