PROFILE: 寺岡泰博/そごう・西武 執行役員 西武池袋本店長

2024年から大規模な改装工事を進めていた西武池袋本店は、今年度中にグランドオープンを迎える予定だ。親会社の変更に伴う戦略転換によって、半分ほどの面積に縮小し、ラグジュアリー、化粧品、食品の3分野に特化した百貨店へと生まれ変わる。明け渡した半分の区画には、ビルのオーナーになったヨドバシホールディングス(HD)傘下のヨドバシカメラが出店した。これまでの紆余曲折を乗り越えて、イケセイは再び輝くことができるのか。(この記事は「WWDJAPAN」2026年7月20日号からの抜粋です)
STORE DATA
開業:1940年(前身の武蔵野デパート) 店舗面積:4.8万㎡(大規模改装の終了後の面積) 総額売上高:非公表 概要:1980〜90年代前半にかけて売上高日本一の百貨店として君臨した。2023年にそごう・西武の親会社変更に伴い、店舗面積を半分に縮小して、ラグジュアリーブランド、化粧品、食品の3分野に特化した百貨店へと移行した。
雌伏のときを経て「逆襲」の狼煙を上げる
WWD:隣にヨドバシカメラの大型店が6月30日にオープンした。
寺岡泰博店長(以下、寺岡):ヨドバシが開店してまだ1週間ほど(取材時)ではあるが、当店にとってプラスが多い。この建物(ヨドバシHD池袋ビル)は山手線に沿って南北に長い。ヨドバシが出店した北側にはJRや丸ノ内線の動線がある。改装工事が長引いてシャッターが下りている期間が長引いたため、南側で営業をしている当店の存在が分かりにくい状態になっていた。ヨドバシ開店後は、北側から南側への人流も回復した。西武とヨドバシは各フロアでつながっている。
WWD:両店の境目は西武とヨドバシそれぞれが自動ドアを設置し、仕切られている。
寺岡:ヨドバシの日常性と西武の非日常性、互いの世界観の違いをしっかり表現するためにそうなった。お客さまも出入口でスイッチングできる。ヨドバシの売り場から西武に入るお客さまも多い。ヨドバシのショッパーを持って、西武でショッピングされている方がいた。もともと当店の顧客らしく、ヨドバシが話題になったので久々に来店したとおっしゃっていたそうだ。
社内にも向けられたメッセージ
WWD:池袋駅のコンコースやデジタル広告で「池袋の逆襲」のキャンペーンを開始し、話題になっている。
寺岡:大々的な広告キャンペーンは、グランドオープンに合わせるのが常識だろう。このタイミングで実施したのは、まず西武が営業していることを広く知ってもらうためだ。先ほど申し上げたように、すでに大部分で営業しているにもかかわらず伝えきれていなかった。劉勁社長を含めて社内で侃々諤々の議論を重ね、あえて「逆襲」という強い言葉を採用することにした。これはそごう・西武の社内に向けた言葉でもある。(経営体制の変更に伴い)西武池袋本店の売り場を縮小せざるをえなくなった。複雑な思いを抱える従業員も少なくない。店内で扱うカテゴリーも限られるようになってしまい、顧客に対して申し訳ない気持ちの従業員もいる。それでも新しい百貨店とお客さまのために前を向いてがんばろう。「逆襲」という言葉には、そんなインナー向けのメッセージでもある。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。
