旅の質が重視され、コンセプチュアルなホテルが注目されている。なかには2拠点生活をする感覚のセカンドホームという選択も。コロナ過には宿泊のサブスクも開始し、注目されたシェア別荘サービス「サヌ セカンドホーム(SANU 2nd Home)」。その後も共同オーナーなど、さまざまなスタイルを確立し、シェア別荘の可能性を広げている。6番目のオリジナル建築となる「ハイク(HIKE)」も誕生する。
メンテナンスも家具や食器も不要
シェアして別荘のオーナーに
全国各地に我が別荘を!誰もが夢見るライフスタイルだろう。1軒まるごとを購入し、維持する経済力やメンテナンスの手間がなくても、それを可能にするのがSANUによるシェア別荘サービス「サヌ セカンドホーム(SANU 2nd Home)」だ。例えば共同オーナー、Co-Ownerというシステムでは1口400万円台~で毎年12泊以上滞在できる。つまり12泊分、その物件をシェア、所有できるという計算に。所有した拠点以外にも、35施設231室(2026年3月現在)ある全国各地の施設にも滞在できる。1度の購入で30年間有効で、4年目以降は売却も可能。不動産資産として、売却、相続、減価償却できるのだ。価格は施設や宿泊数によって違うが、400万円の物件の場合、単純計算して、1年39.5万円で共同オーナーになれる。
各施設には家具はもちろん、食器や家具、食材などもそろい、メンテナンスにも煩わされることはない。暗証番号で開錠されるので、チェックインの手続きや、フロントでの待ち時間もなく、鍵を保管する必要なし。到着したら、すぐくつろぎの時間が確保される。
どこの拠点も調理器具、調味料まで備え、コーヒーや冷凍食品などもストックされている。建築モデルごとにデザインは異なれど、キッチンやワークスペースなどの基本構成や備品の内容は共通しており、どこの施設に滞在しても、いつもの別荘として過ごせて安心だ。別荘につきものの、草刈りや冬の水道凍結対策などのメンテナンスも不要。クリーニングもお任せで、到着したらすぐにリラックスできるのもシェア別荘のメリットだ。ドッグフレンドリーな部屋では、ケージに入れることなく、自宅のように愛犬と過ごせるのもうれしい。中にはプライベートサウナや露天風呂、焚火スペースが付いた物件も。ホテルと違い、家族や仲間だけで、気兼ねなく休日を楽しめる。また、24時間利用可能なシェアオフィス付きの施設もあり、仕事に集中するための「合宿」を試みるのもいい。ホテルより自由で、別荘より身軽という絶妙なバランスだ。
自然に寄り添うサステナブルな建築
その哲学に共鳴した建築家たちが参画
ただ洗練され、快適なだけではない。「Live with nature. / 自然と共に生きる。」を掲げるSANUが目指すのは環境共生型の建築。同じ志を掲げる建築家とともに、日本の森で伐採した木材を吟味し、環境を守り、自然と調和するような設計を実現している。その建築それぞれにはブランド名、いや緻密に戦略を練られたレーベル名と呼びたくなるようなネーミングがある。
例えば、最初にSANU 2nd Homeが建てた「モス(MOSS)」と「ビー(BEE)」はそれぞれデザインが異なる設計。リビングとバルコニーが一体となった「MOSS」は暮らしと自然がシームレスにつながる。苔むす森に生きる動植物に負担をかけない、地球を愛するキャビンだ。「BEE」はその名のごとく、ハチの巣に着想を得た、自然の風景を切り取る大きな窓が特徴的。国産木材を100%使用し、土壌環境に配慮した高床式の基礎だ。 いずれも林業や森づくりといった材木の循環まで視野に含め、サステナブルな建築を推進するADXの安齋好太郎が設計した。
緑や海を望み、風や光が通り抜けていくデザインの「レイ(RAY)」は芦沢啓治が、2つの棟が空に向かって開くメゾネットタイプの「スカイ(SKY)」は加藤匡毅率いるPuddleが、亜熱帯の気候を考慮した「ARC」は環境建築ユニットSUEP.と共創するなど、SANUの志に賛同した建築家が各モデルの設計パートナーに。そして今回、6タイプ目となる「HIKE」のプロジェクトが軽井沢で始動。「SKY」を手掛けたPuddleが空間をクリエイトする。
ハイキング感覚で移りゆく景色
スキップフロアでつながる「HIKE」
「HIKE 軽井沢」はハイキングのような感覚を室内でも楽しめる。4層のスキップフロアがぐるりと連なる間取りで、1番低い層はバスルーム、浅間山へと開く2層目はキッチン&ダイニングと広々としたバルコニー、階段を上った南側には子どもの遊び場になるようなリビングがあり、最上層には寝室を配している。階段を上るたびに、景色が次々と変わり、家の中での移動そのものがハイキングのような道中に。壁で分断せずに、気配を感じながらそれぞれが自由に過ごせる、絶妙な距離感を生み出している。ダイニングとリビングの壁には、お互いを見上げ、見下ろせる窓を設けるなど、風や光とともに、視線が通り抜けるデザインだ。
建築的にはスクエアな長方形のほうが施工しやすいところを、あえて扇状の形状を選択。北側の浅間山にむかって開いていくような開放感を演出した。朝のきらめきや雲の流れ、柔らかな夕暮れなど、時の移り変わりを大開口や出窓から体感できる。全7室のうち3室は愛犬とともに滞在できるドッグフレンドリーな客室。最大6人まで宿泊でき、中にはサウナや水風呂があり、バルコニーで整うようなこともできる。木のぬくもりを感じる空間で、外装にも長野県産の杉材を使用。風雨や光を受けて色味が深まり、味が出る経年変化を楽しめそうだ。
快適性とデザイン性とともにある
循環を促す環境共生型の建築
これらのオリジナル建築は建てて終わりではなく、別の地域にも展開可能な「プロダクト」として設計されている。10カ所で展開している「MOSS」や那須、伊豆、館山にある「RAY」など、それぞれのロケーションの魅力を引き出すオリジナル建築を厳選し、建築している。
SANUの循環する建築への想いは本気だ。SANUが広がれば広がるほど、自然と人が豊かになるロールモデルを目指す。森に建つモデルでは極力ボンドや釘を使わないなど、解体まで見据えてつくるプレファブ型木造建築、高床式など土壌への影響が少なく、風が流れる設計の実現、再生可能エネルギーを全拠点で導入など、サステナブルであることに重きを置いている。また森林率世界3位の日本の森を循環させるべく、70%国産材使用し、林業組合から直接調達するなど、顔の見える関係を築いている。別荘という、繰り返し訪れる仕組みをつくることで、都市から地方へ安定的な関係人口を創出し、観光客ではなく、生活者として滞在することで、地域の消費活動を活発にする。
「HIKE」でどう軽井沢ライフを楽しむか
暮らすような滞在こそ醍醐味!
2拠点での生活に興味をもつものの、その手間とコストで足踏みをする「隠れ2拠点層」は、首都圏だけでも約700万世帯にも及ぶという。さらには子育て世帯の93%が、自然に触れたい、現状の生活ではその機会が足りないと感じているという。完全移住から、都市の拠点はそのままで、定期的に、身軽に森や海に「通う」時代に。
共同オーナーとなるCo-Owner以外にも、月々、5万5000万円~のサブスクリプションも継続。平日(月〜木)は追加料金なしで毎月7泊まで滞在でき、金曜・日曜は1部屋あたり5500円、土曜や祝前日などの繁忙日は時期により追加料金が設定されている。1滞在あたりの清掃料3300円、愛犬同伴やサウナや温泉などの施設使用など、追加料金が必要な場合もあるが、基本的には自分の持つ別荘のように活用できる。サブスクや企業の保養施設として活用する法人契約、共同オーナーになる以外にも、通常のホテルのように「ステイ(Stay)」という1泊ごとの設定も。まずは1泊から可能な「Stay」滞在で、お試し体験できる。
ちなみに軽井沢中心地から車で15分という「HIKE」の共同オーナー、Co-Ownerの募集は3月7日から販売開始、2026年冬の完成を目指している。この春には横浜にモデルルームも公開される予定だ。自然環境に溶け込むことで、心に余白がうまれ、幸福感が増す――この循環をぜひとも家族で体感してみたい。