
今回からスタートした「WWDJAPAN」と「Astream」のコラボ企画「#FashionAnalytics」。「WWDJAPAN」編集部の記者がコレクションや取材の中で気になっているトレンドや情報を「Astream」の協力を得てひもときます。1回目は、2025-26年秋冬のコレクションを彩った「スカーフ」。SNSではどうなっているのでしょうか。(この記事は「WWDJAPAN」2025年8月4日号の転載です)
スカーフがラグジュアリー・ブランドの
「エントリーアイテム」として赤丸急上昇
売る側、そして買う側の双方で「存在感が高まっている」と思えて仕方ないスカーフに注目しています。まず売る側においては、特にラグジュアリー・ブランドがスカーフを積極的にプッシュしている印象があります。ご存じの通り、多くの日本人消費者にとって、ラグジュアリー・ブランドのバッグやシューズ、ウエアは、「憧れの存在」ではあるけれど「高嶺の花」。高額すぎて頻繁に購入することができず、結果、ラグジュアリー・ブランドは特に若い世代をその世界に誘う、新しいエントリーアイテムの開発に注力しています。そうした中でスカーフは、アラウンド3万円のフレグランス、5万円前後のサングラスに匹敵する新エントリーアイテムに昇格。特にフレグランスやサングラスをライセンスで手掛けているブランドにとっては、スカーフは数少ない店頭価格アンダー10万円のアイテムです。バッグのハンドルに巻きつけるのにピッタリの細くて長いスカーフなら、3万円台で購入できます。こうしたブランドのスカーフは、二次流通でも価格が上昇傾向にあり、特に「エルメス」のスカーフは品薄状態にあると聞いています。
ラグジュアリー・ブランド以外もスカーフを積極的にプッシュしています。特に地球温暖化に伴い、季節の立ち上がりや端境期の売れ筋が読みづらい今、アパレル各社はアクセサリーに傾倒。その中でヘッドピースに注目するブランドは少なくなく、展示会でスカーフを見かける機会が増えています。
スカーフをフル活用するのはまさに今
一方の消費者においては、女性のみならず男性でもスカーフを楽しむ人が増えているように思います。スカーフをヘビーローテーションしているのは、まさに今の時期。直射日光がキツい中、特に“うなじ”、首の後ろのあたりの日焼けを気にする若い人たちがスカーフを首に巻いたり、“真知子巻き”(最近は「バブーシュカ・ラップ」と言うらしい)したりの姿を頻繁に見かけるようになりました。「WWDJAPAN.com」が屋外のフェスなどで撮影したスナップ写真を見ると、どの会場にも必ずスカーフを上手に使って日焼けや暑さ対策をしている“フェス上級者”のスタイルが見つかります。キャップの上にスカーフという、頭でのレイヤードも珍しいスタイリングではなくなりました。
初夏から夏にかけてスカーフを愛用する人たちに話を聞くと、屋外では直射日光を遮るために用いているスカーフを、屋内ではエアコン対策として活用しています。屋外と屋内の気温差が激しく寒さを覚える時は、頭に巻いていたスカーフを首元に巻いて、今度は寒さ対策として活用するそうです。賢いですね。
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