毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(「WWDJAPAN」2025年7月7日号からの抜粋です)
本橋:メンズコレ、暑かったですね…。35度近い気温のなかでショーを一日中ハシゴするなんて、コレクション取材は改めて体力勝負だと痛感しました。
村上:本橋さんは、ニューヨーク・コレクションは2回取材しているけれど、2週間越えという長丁場は初めてですもんね。私が取材していたコロナ前と比べると、ヨーロッパの6月も確実にムシムシしています。そんな気候と日差し、過密なスケジュールでは、最初の1年は正直食らいつくのがやっと、ですよ(笑)。
海外勢も日本ブランド同様酷暑対応に本気
本橋:取材を通じて感じたのは、地球沸騰化の中で、各ブランドがやはり避暑を意識していること。これまでのヨーロッパブランドの春夏の打ち出しには、日本の酷暑との温度感のズレを感じていましたが、ギャップがだいぶ埋まってきたように思えます。
村上:シースルーやパイル地などの素材、トレンチコートのクロップド丈やノースリーブなどの定番アレンジ、そして気温次第で調節できるレイヤードスタイルはこれまで、日本ブランドの専売特許だったり、一日の長があったりのイメージでしたが、欧州勢も確実に日本化していますね。
本橋:これだけ暑いからこそ、主にウィメンズで使われていたようなしなやかな素材や、肌を見せるスタイルが、メンズにも受け入れられていくのかなと思いました。とはいえ、「プラダ(PRADA)」のブルマーは、さすがに二度見しましたが。
村上:肌見せは正直、東アジアでは難しいと思いますよ。本橋さんは、35度予報でも長袖&長ズボンだったじゃないですか。むしろ時代は紫外線から肌を守る方向に向かっていて、ブルマーよりはスカーフや日傘が男性にも普及していくんじゃないかな。そういえばパリで日傘を差した日本のプレス、いらっしゃいましたよね(笑)。
本橋:自分自身もいろんなスタイルにトライしてこそ視野が広がり、ショーから見えてくるものが増えそうと思ったのも事実です。真知子巻き、トライしてみようかな(笑)。