ファッション
特集 越境するクリエイティビティー 第3回 / 全6回

固定観念をほぐすパワーあふれるクリエイション 4人の作り手の哲学とは?

有料会員限定記事

固定観念をほぐすパワーあふれるクリエイション 4人の作り手の哲学とは?

私たちの周りには普段意識していないだけで、思考の幅に制限をかけうる社会規範があふれている。ここで紹介する4人は、そんなバリアを掘り起こし、新たな価値観を提示するクリエイターだ。「こんな風に考えてみたらどう?」という穏やかな問いかけは、常識を塗り変えるパワーを持っている。(この記事は「WWDJAPAN」2025年4月28日&5月5日合併号からの抜粋です)

モチェ・レ・サンドリオン(25)

ドラァグ・パフォーマー/現代美術作家

モチェ・レ・サンドリオン

ジェンダー規範は誰のもの?
ドラァグクイーンの手法で問い直す“常識”

“女性らしさ”を誇張したファッションやメイクをまとい、性にまつわる偏見を皮肉とユーモアで浮き彫りにするドラァグクイーンたち。演者はゲイ男性だけと思われがちだが、実はそうではない。

モチェ・レ・サンドリオン(以下、モチェ)も女性に生まれながらドラァグとして活動する1人だ。他者からの性的なまなざしに違和感を覚えた10代を過ごし、美大生のころにドラァグの存在を知る。過剰なまでの装飾で女性性をデフォルメし、ジェンダーに向き合う。そんな生き様に引かれるようになった。

ドラァグにもジャンルがあるが、モチェはホラー映画などに着想した奇抜なルックスのチームである「ハウス・ヴォン・シュワーズ(Haus von Schwarz)」のスタイルを選んだ。少女漫画のような巨大な瞳は、日本にこびりついた「若さ、かわいらしさを理想視する価値観」を痛烈に風刺する。最近ではヒゲのメイクにも挑戦し、男性性も取り入れようとしているという。

この続きを読むには…
残り3021⽂字, 画像13枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

Is AI GOOD?AIがもたらす「ゲームチェンジ」

「WWDJAPAN」12月1日号は、ファッション&ビューティ業界でいよいよ本格化する“AIゲームチェンジ“を総力特集しました。11月19日のグーグル「ジェミニ3.0」発表を契機に、生成AIは「便利なツール」から「産業の前提インフラ」へ変貌しつつあります。ファッション&ビューティ業界で浸透する生成AI及びAIの活用法とゲームチェンジに向けた取り組みを紹介しています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。