ファッション
連載 エディターズレター:FROM OUR INDUSTRY 第185回

壁打ち相手に、AIだけじゃなく、「がむしゃら」な人はいかがでしょう?

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壁打ち相手に、AIだけじゃなく、「がむしゃら」な人はいかがでしょう?

先日、こちらの記事にある“エイミー”こと、龍淵絵美ファッション・ディレクターの書籍「ファッションエディターだって風呂に入りたくない夜もある」の出版記念パーティーにお邪魔しました。エイミーさんは1972年生まれですから、今年53歳。バブルの崩壊は91〜93年ですから恩恵は受けていらっしゃらない世代のはずですが、同世代のゲストを含めて、圧倒されました(笑)。パワーが全然違うんです。私も77年生まれなので大して違わないと思っていたのですが、全然違いました。バブル世代を表現する際、私は尊敬の念を込めて「搭載している馬力が違う」と申し上げるのですが、エイミーさんも、同世代のゲストもやっぱり「搭載している馬力が違う」。私が1000馬力なら、周りの方々は1万馬力。書籍の通りパワフルに生きてきたし、これからもパワフルに生きていかれるのでしょう。「300年後の『枕草子』を目指して書き続ける」との言葉には、のけぞると共に感嘆の念を抱きました。振り返れば私はこれまで、300年後の社会を想像し、そこに自分の“爪痕”を残そうなんて考えたことがあったでしょうか?毛頭ありません。「馬力が違う」の意味を感じていただけたのではないでしょうか(笑)?

なぜ、こんなに馬力が違うのでしょうか?端的に言えば、「がむしゃらに生きて、掴みたいものを掴んだ方々」、もしくは「がむしゃらに生きたから、何かを失っても、掴みたい新しいものがすぐに見つかり、それをまたがむしゃらに生きて掴もうとしている方々」という印象を受けました。今時、「がむしゃら」なんてダサいでしょうか?でも、「掴みたいものを掴んだ方々」はやっぱり素敵だし、私よりも年上なのに「新しい何かをまた掴もうとしている方々」には素直に刺激を受けました。そして彼女たちの姿は、エイミーさんよりも、私よりも遥かに若い書籍の担当編集者にさえ伝わっている様子。エイミーさんたちとは違って不慣れな華やかな場で、一生懸命に、自分の言葉で、編集中のさまざまな想いを振り返っていらっしゃる姿にも感銘を覚えました。やっぱり「がむしゃら」っていいモンです。

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