ビジネス
連載 齊藤孝浩の業界のミカタ 第71回

シーインのエコシステムから生まれる次世代越境ECブランド

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企業が期ごとに発表する決算書には、その企業を知る上で重要な数字やメッセージが記されている。企業分析を続けるプロは、どこに目を付け、そこから何を読み取るのか。この連載では「ユニクロ対ZARA」「アパレル・サバイバル」(共に日本経済新聞出版社)の著者でもある齊藤孝浩ディマンドワークス代表が、企業の決算書やリポートなどを読む際にどこに注目し、どう解釈するかを明かしていく。今回は中国・広州の工場取材で明らかになったシーインのエコシステムを2回に分けて紹介する。(この記事は「WWDJAPAN」2025年3月10日号からの抜粋です。)

前回(2月10日号)に引き続き、今回も中国・広州で取材してきたシーイン(SHEIN)を取り巻くサプライチェーンについてお話しします。前回はオーダーが確実で、支払いも自動的に行われ、メーカーがあまり考えなくていいぐらい整ったエコシステムが出来上がっている状況を紹介しました。今回は、シーインのスピードビジネスの一端を担う自動倉庫と、シーインが作り出したエコシステムを活用して、シーインの背中を追うスタートアップ企業の動きについてリポートします。

今回、2020年にシーイン初の大型物流倉庫の内部の仕組みを手掛け、その後も、シーインが広州に持つ、約20カ所の物流拠点の8割を設計・運営している会社の創業家でもある経営陣と話しました。もともと工場内の自動化システムなどを作っていたマレーシア系の会社で、パナソニックやホンダなどの日本企業に育てられたそう。日本の技術やクオリティーをすごくよく理解していました。そんな彼らの現在の最大クライアントが、シーインだそうです。

独自のグローバル SCM ポータルサイトで管理
シーインのサプライチェーン・エコシステム

いずれの物流拠点も24時間稼働で、その会社がシステムやマテハン設計だけでなく、管理者を常駐させ、稼働がストップしないように運営管理をしています。

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