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何が起きているのかを把握し、短・中・長期の商売を考える【MDの仕事2:「ジーユー」古木里沙】

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PROFILE: 古木里沙/ジーユー グローバル商品本部グローバルMD部ウィメンズMDチームMD

古木里沙/ジーユー グローバル商品本部グローバルMD部ウィメンズMDチームMD
PROFILE: (ふるき・りさ)2017年、新卒社員として入社。18年に店長に昇格し、19年に商品計画部へ。22年3月にMD部へ異動し、ウィメンズのボトムスを担当。カーゴパンツのプルオンタイプを導入し、シーズンを通して、ウィメンズのボトムスで全社1位に。23年9月にMD部シャツ部門のリーダーに登用され、現在に至る。毎週末サウナに入ることでリフレッシュ&デジタルデトックスしている PHOTO : SHUHEI SHINE

「どのタイミングで、どんなものを、どれだけ売るのか」を設計し、目標の売り上げ達成と利益の確保に向けてさまざまな部署と連携しながら、ブランド運営に携わるのがMD(マーチャンダイザー)だ。ディレクターやデザイナー(企画)、バイヤー、販売員と比べて露出が少ない職種だが、売り上げや在庫消化の向上のために戦略を立て、状況に合わせて都度調整し、結果を分析しながら次の計画に反映する、重要な役割を担う。

「WWDJAPAN」2024年6月10日号では、そんなMDの仕事を特集する。MDの仕事は、ブランドによってカバーする範囲と注力ポイントが異なると同時に、仕事のやり方、判断の仕方も人によってさまざまだ。そこで今回は、3人のMDの仕事内容とその魅力を紹介する。

2人目はファーストリテイリング「ジーユー(GU)」の古木里沙さんだ。「ジーユー」で特筆すべきは、アイテムごとにMDがいること。シャツ担当はシャツ品番のみに専念する。古木さんは2年前にMDに起用され、プルオンタイプカーゴパンツのヒットをけん引。現在、MD部門のリーダーとしては最年少で、シャツ部門を後輩と2人で担当する。

最大のミッションは利益の最大化

古木里沙さんの朝は数字の確認で始まる。MDとして最大のミッションは、「利益を最大化する」こと。日々の売り上げの動きから、今シーズン(短期)、次シーズン(中期)、1年後(長期)の商売について考える。「売り上げ実績や市場動向のリサーチを通じて、まず正しく現実を把握する。その上で、どういったアクションを取っていくかを日々考える」。

「ジーユー」におけるMDの仕事は大きく4つ。「売上実績や市場動向の確認」のほかに、「商品計画の立案」「商品の企画開発」「販売計画の立案」だ。

売上実績において、主に見る数字は2つ。1つは担当するシャツのアイテムが「ジーユー」のなかでどれくらいの順位で売れているか。客からどれくらい支持されているかの指標となる。もう1つは販売計画に対しての乖離がどれだけあるか。計画に対して売れすぎても、売れなさすぎても対策が必要になる。ここにECサイトなどに寄せられる「お客さまの声」が加わる。

朝の分析タイムが、古木さんの全ての業務のベースになる。「この時間をしっかり優先順位高く確保して、自分なりに考えたことを日々チームと『じゃあこうしようか』などと話しながら、実際の行動に移していく」。

動きが鈍いアイテムに対しては、その理由が事業としての要因か、商品としての要因かを分析し、それに基づいてアクションを決めていく。「まずは近隣でも、とにかく売り場に足を運んで、何が起きているのかの把握に努める。実際に店頭でどういう風に見えているかなどを自分たちの目で確認したり、店舗のスタッフや店長にヒアリングをかけたり。それが1店舗の事象なのか、氷山の一角で、全社ベースで起きている課題なのかも判断する。また、お客さまからの声、レビューへの書き込みなども確認して、その商品に対してどういったコメントが多いのかなどから仮説を立てる。売り場の展開のタイミングなのか、それともお客さまにとっての価格がちょっと高いといったところなのか、そもそも商品自体が失敗してしまったのか、店頭のマネキン着せ付けコーディネートの訴求の仕方が良くないのか――さまざまに分析する」。

そこでの考察に基づき、「売りたい数まで売る」ために、できるところから最短で対策をとっていく。期中の販売計画に修正をかけられればかけ、次シーズンについても修正を反映し、1年後以降の計画を立てる際にも反映する。「日々分析しながら常に足元の商売と、次のシーズンの販売計画、1年後の企画開発を行なっている。混乱してくることもあるが、いろいろ頭を動かしながらアクションを起こしていくのもMDの仕事の楽しいところだ」。

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