ファッション
特集 メンズ・コレクション2024-25年秋冬

穏やかな「ヨウジヤマモト」メンズ ゆったり流れる時の中で描く温かな物語【2024-25年秋冬メンズコレまとめ】

ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」は1月18日、パリ・ファッション・ウイークで2024-25年秋冬メンズ・コレクションを発表した。「家族、伝統、歴史」をテーマにしたという今季は、いつになく穏やかな空気感。女性ボーカルによるレディオヘッド(Radiohead)の「クリープ(Creep)」のカバーや山本耀司が歌うテイラー・スウィフト(Taylor Swift)の「ラバー(Lover)」などスローテンポのメロウな音楽が流れる中をゆっくりと歩くモデルは、老いも若きも入り混じり、男性だけでなく女性も登場した。そして、時にリンクした装いで仲睦まじく腕を組んだり、手を繋いだりしながら2人1組で歩く姿は、ロマンチックなムードさえ漂い、温かい気持ちになる。

ファーストルックは、尖るように盛り上がった肩と片方だけ二枚仕立てになった前見頃が特徴のテーラードコートに、クラシックな英国調のストライプ地で仕立てたワイドパンツ、紺のボウタイシャツを合わせたスタイル。その後もゆったりとしたシルエットとエポーレットなど肩のディテールが特徴の脱構築的なテーラリングが中心になるが、今季はユーティリティームード漂うアウターやベスト、ヘリンボーンやピンストライプのウールブルゾン、レザーのバイカージャケットなどを重ねて提案する。

コレクションにアクセントを添えるのは、手仕事を感じる繊細なイラストや英語のフレーズだ。冒頭のテーラリングやアウターに見られたセンシュアルな女性たちのイラストは、山本自身が描いたものだという。ジャケットやコートからパンツやシャツまでの随所にアップリケや刺しゅうであしらわれたフレーズは、「TALE OF THE UNEXPECTED(思いがけない物語)」や「DON’T BELIEVE ANYONE(誰も信じないで)」から「I LOVE YOJI BUT HE IS FOR SALE(耀司が好きだけど、彼は売り物)」「YOYO LOVES BLACK. IS YOUR UNDERWEAR BLACK??? TRANSPARENT??(ヨーヨーは黒が好き。下着は黒???透明??)」「CHOTTO LOVE(ちょっとラブ)」など意味深。ただ、その真意を知るのは、山本本人のみかもしれない。

山本耀司の旧友ヴィム・ヴェンダースが登場

1年前のショーにはSnow Manのラウールが登場したが、今シーズンは最新映画「パーフェクト・デイズ(PERFECT DAYS)」でも話題を集めるドイツ人映画監督のヴィム・ヴェンダース(Wim Wenders)や、ドラマシリーズ「ウォーキング・デッド(The Walking Dead)」でも知られるアメリカ人俳優のノーマン・リーダス(Norman Reedus)がランウエイを歩いた。特にヴェンダースと山本は、旧知の仲。自身と同じく第二次世界大戦中に生まれたヴェンダースについて、山本は「私たちは兄弟のようなもの。同じ記憶を共有している」と米「WWD」に語った。ラストルックには、そんな彼が女性モデルと腕を組みながら二度目の登場。花のプリントが施されたシャツにサスペンダー付きのテーラードスカート、中折れ帽を共にまとい、ショーを締め括った。それは、まるで映画のワンシーンを見ているかのようでもあった。

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