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「スリーコインズ」上期売上高が3割増の314億円 パルグループHD、過去最高業績

パルグループホールディングスの2023年3〜8月期連結業績は、売上高、利益ともに同期間として過去最高を更新した。売上高が前年同期比20.4%増の941億円、営業利益が同35.8%増の102億円、純利益が同45.6%増の77億円だった。8月末時点の店舗数は947店。好業績を受けて通期(24年2月期)の予想を上方修正した。

カテゴリー別の売上高は、衣料事業が同15.6%増の576億円、雑貨事業が同28.7%増の363億円だった。

衣料事業ではカジュアル系ブランドが引き続き好調だったほか、ドレスアップ系ブランドもコロナ前の売上高まで回復し、店舗売上高を押し上げた。売上高を最も伸ばしたのはドレスアップ系の「ビアズリー」で43.1%増の25億円。カジュアル系の主力ブランド「ミスティック」は同28.1%増、店舗の大型化を進める「チャオパニックティピー」も同18.9%増だった。

雑貨事業では主力の「スリーコインズ」が約80億円増の314億円と拡大した。店舗を大型化した業態「スリーコインズ プラス」が順調で、既存店・新規出店ともによく売れた。バッグブランド「ラシット」が同40.6%増と回復した。

EC売上高は同22%増の227億円。とくに自社サイト「パルクローゼット」が同30.4%増の92億円となり、「ゾゾタウン」での数字(113億円)に迫る勢いになった。衣料事業のEC化率は39.4%と前年より2.1ポイント増加した。ECと並行して強化しているアプリの会員数は8月末で864万人を超え、今期1000万人の達成をめざす。

売上総利益率は同0.2ポイント減の55.6%だった。期初予想に比べると0.7ポイント増えた。店舗での衣料の値引きを抑制できたことに加え、ECでの先行予約販売が利益率に貢献した。ただし「スリーコインズ」に代表される生活雑貨は急速な円安やエネルギー価格の高騰などで仕入れ価格が大幅に上昇し、利益を圧迫した。商品の平均単価は、前年同期が8020円だったのが、今期末に9040円となり、約12%上昇している。

11日に大阪で行われた決算説明会に登壇した井上英隆会長は「これまでやってきたことの集積が奏功し、売り上げ増や粗利の改善につながった。この流れはしばらく変わらないと思う」といい、「これからの時代は製品にどれだけ付加価値をつけられるかがポイントになる」と話した。

通期業績は、売上高1842億円、営業利益189億円、純利益124億円を計画する。下期は経営環境が一段と厳しさを増すことから、期初の想定を変更せず、上期実績のみを反映し、上方修正した。

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