ファッション

スイス発「アクリス」が100周年を祝う展覧会 藤本壮介ら建築やアートとのコラボを一堂に

「アクリス(AKRIS)」は5月12日から9月24日まで、ブランド誕生100周年を記念し、スイスのチューリッヒデザイン美術館でエキシビションを開催し、25日には各国からジャーナリストらを招きクローズイベントを開催した。

会場では「アクリス」の歴史とコレクションのインスピレーションとなっているアートと建築へのオマージュ、デザイン性やクラフツマンシップを伝えた。アルベルト・クリームラー(Albert Kriemler)=クリエイティブ・ディレクターは、アートや建築に造詣が深く、これまで数々の著名な アーティストや建築家とコラボレーションしている。会場には、ラインハルト・フォークト(ドイツ)、イアン・ハミルトン・フィンレイ(スコットランド)、ジェタ・ブラテスク(ルーマニア)、アレキサンダー・ジラード(アメリカ)、ロドニー・グラハム(カナダ)、藤本壮介(日本)などの作品とともに、2009年から22年までの12のテーマに合わせた100点以上のルックが展示された。

イベント冒頭で挨拶に立ったクリームラーは、「祖母であるアリス・クリームラーは1922年、女性に参政権すらなかった時代に起業をし、エプロンの縫製と刺しゅうの事業をスタートした。まさに当時のアントレプレナーだった」と創業の精神に触れ、父や弟であるピーター・クリームラー最高経営責任者(CE0)と2人で成長させたビジネスの背景を改めて振り返った。そして、インスピレーションを受けた芸術家たち、クリームラーが「長年の名人」と称える自社のテーラーやパタンナー、職人たちへ感謝のメッセージを丁寧に伝え、アットホームの空気の中で展覧会は閉幕した。

本社を構えるザンクト・ガレンは、豊かな自然に囲まれた歴史ある街

「アクリス」の本社は、チューリッヒから特急電車で田園風景の中を走ること約1時間、歴史的な建造物が数多く残る小さな街、ザンクト・ガレンにある。ザンクト・ガレンはテキスタイルと刺繍の産地として知られ、今も産地企業のいくつかはオートクチュールブランドの刺繍などを手がけている。

「アクリス」はここに、本社に加えてホテルやレストラン、ワインショップなどを展開しており、さながら“アクリス”タウン。デザイン機能を集約した建物は、クリムラーの祖母が1922年に購入した建物をリノベーションしたもので、窓からは美しい街並みと自然が一望できる。小さな街を歩けばすぐに世界最古といわれる図書館やステンドグラスが美しい荘厳な教会、おとぎ話から抜き出してきたような伝統的な建物が目に入り穏やかな気分に。「アクリス」の服は、着る人の魅力を引き出す上質なテーラードやニットが特徴だが、スタッフが豊かなスイスの自然と文化に囲まれた穏やかな場所で働いていることは、その特徴と大いに関係しているようだ。

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