ファッション

ユニクロが「マルニ」とタッグを組んだ理由は? 「部屋にアートを飾るように色柄を楽しんで」

 ユニクロは5月20日の発売に先駆け、イタリアのファッションブランド「マルニ(MARNI)」との初のコラボレーションコレクション「ユニクロ アンド マルニ(UNIQLO AND MARNI)」の商品を公開した。2022年春夏はユニクロの通常コレクションとしても色柄を推しているが、その一環として「色柄の遊びが巧みなブランドの代表といえば『マルニ』ということで、コラボレーションに至った」(ユニクロ広報担当者)という。

 商品はメンズ10型、ウィメンズ9型、2足セットのソックス1型。コンパクトなコレクションだが、ユニクロの通常ラインにはほとんど登場しない大胆な配色や柄の表現が特徴で、同じアイテムでも色柄の違いによってイメージは大きく異なる。大花や小花、チェックの柄は全て、今回のコラボレーションのために「マルニ」側が作成したもの。ハンドペイントで表現した自由でヒッピー的なムードは、「マルニ」の現ディレクターであるフランチェスコ・リッソ(Francesco Risso)らしさ全開だ。

 素材ではユニクロの強みを生かしている。例えば、今コラボの象徴的な商品の一つである裏地がビビッドな配色になったハーフ丈のコートには、防風、防水、透湿、耐久はっ水などを打ち出すユニクロの独自素材“ブロックテック”を使っている。3層構造で張りのある素材感が、フードの立ち上がりやボディーのコクーンシルエットを表現。ウィメンズ品番だが、メンズ誌の編集者などからも評判はいいという。他商品も、メンズ、ウィメンズの区別なく着られるアイテムが中心だ。

定番商品を「マルニ」流にひとひねり

 メンズで企画しているテーラードジャケットとタックパンツのセットアップは、ユニクロの夏の看板商品の1つである“感動ジャケット”や“感動パンツ”を下地にした。ストレッチ性やサラリと着られる速乾性、ケアの楽さは“感動シリーズ”と同様だ。一方で、例えばタックパンツのワイドなシルエットはユニクロの通常ライン商品にはほぼないもの。「どの商品もユニクロの定番アイテムをベースとしつつ、コラボならではのデザインに仕上がっている」(コラボを指揮する勝田幸宏ファーストリテイリンググループ執行役員ユニクロR&D統括責任者のコメント)点が特徴という。

 フルラインアップは国内ではユニクロ123店と公式ECでの扱いになるが、全店で販売する商品もある。全店展開する注力商品は、ウィメンズはSNS上でも人気のノースリーブブラウス4色、バルーンスカートのネイビー、ボーダー柄のカットソードレス2色、メンズは開襟シャツ(無地2色、大花柄2色)、ポケッタブルパーカ(カラーブロック2色、チェック柄2色)、ショーツ4色、ソックス5色。

 コロナ禍で自宅用やワンマイル向けのベーシックウエアが売れた時期が長いが、ここに来て外出機会も徐々に増え、ファッションにも楽しさや華やかさを求めるムードが少しずつ戻ってきている。「自分の部屋にアートを飾る感覚で、色柄豊かな今コレクションを楽しんでほしい」と勝田R&D統括責任者はコメントしている。

関連タグの最新記事

ファッションの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

疾走するアシックス 5年間で売上高1.8倍の理由

「WWDJAPAN」11月4日号は、アシックスを特集します。2024年度の売上高はコロナ前の19年度と比べて約1.8倍の見通し。時価総額も2兆円を突破して、まさに疾走という言葉がぴったりの好業績です。売上高の8割以上を海外で稼ぐグローバル企業の同社は、主力であるランニングシューズに加えて、近年はファッションスニーカーの「オニツカタイガー」、“ゲルカヤノ14”が爆発的ヒットを記録したスポーツスタイル…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。