ファッション

コロナ下で体験した「夕方」の再発見 エディターズレター(2021年2月4日配信分)

※この記事は2021年02月04日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

コロナ下で体験した「夕方」の再発見

 テレワークを始めて、「夕方」を再発見しました。少しずつ暗くなり気温が下がり、夜になる。そんな時間の変化をコロナ前は気にもとめず、17時も18時も19時も20時も昼の延長であり、夕方という時間帯は「なかったことにしていた」気がします。オフィスには大きな窓があるけど感覚的には「昼」の次は「夜」に直行でした。

 今は自宅で午後4時にくらいになると「暗くなってきたな」とか「冷えてきたな」と夕暮れを肌で感じてカーテンを閉めたり、カーディガンを羽織ったりしています。この肌感で知る「夕方」はなかなか豊かな時間帯ですね。オンライン会議続きで朝から座りっぱなしのことも多く、そういう時は遅いランチを買いに近所の商店街を30分くらい散歩しますが、夕方4時の散歩が今はちょっとしたオケージョンです(笑)。クローゼットが常に近いこともあり気温変化やオンライン上のオケージョンに合わせて以前より服をこまめに着替えるようになり、それも結構楽しいです。

 そんな生活の中で読んだこの記事の4枚目の写真に共感しました。雪が積もったNYのセントラルパークでスキーウエアを着て犬の散歩をしている女性です。可愛くて、実に大げさです!雪だからといっても、スキーウエアを着るほどではないでしょう(笑)。でも彼女のようにその時、そのシチュエーションをファッションで積極的に楽しむと人生は豊かさになりそうです。

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 コロナ後の生活を想像し始める今、せっかく再発見した「夕方」に象徴される日常をこの先も忘れず楽しみたいなんて思いますが、ひとつ思うのは、商業施設内の売り場で働く人は今も変わらずこの「夕方」や「近所」の発見が象徴する変化を感じるのは難しいんだよね、ということです。一日中、一定の明かりと温度の中で仕事をしているわけですから。

 テレワークによりライフスタイルが大きく変化した消費者と、変わらない売り場。このギャップは小売りの今後の課題だと思います。ファッションやビューティを提案することはイコール、ライフスタイルを提案することですから、売り場に立つ人自身が時代の変化“ニューノーマル”を体感できる環境整備は大切だと思うからです。言うは易しですが、例えば自宅からのオンライン販売を制度化するとか?施設の入退館の仕組みを簡易にすることで働く人の出入りをより自由にするとか?はたまたハイテクに夢を託すとしたら、外が暗くなったら暗くなる、寒くなったら寒くなるなど外部環境と連動した空調・照明システムの導入とか?そんな店、不便は多いですがホッとする場にもなりそうです。

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