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「閉店・閉鎖」はネガティブなのか? エディターズレター(2021年2月3日配信分)

※この記事は2021年02月03日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

「閉店・閉鎖」はネガティブなのか?

 リンク1本目の記事の通り、緊急事態宣言下のリアル店舗は厳しい戦いを強いられています。期末・年度末も影響しているのでしょう。閉店や撤退は、前回の非常事態宣言のタイミングとは比べものになりません。

 こうなると私たちのサイトには、「閉店・閉鎖」というタグで管理するニュースが増えていきます。「閉店・閉鎖」「ブランド休止」「破産・倒産」などのタグで管理するニュースはアクセスが良く、かつては「あぁ、不幸なニュースへの関心って、やっぱり高いんだな」と思っていましたが、最近は、よく分からなくなっています。「コレは、本当に不幸なニュースなのか?」というところから、分からなくなっているんです。

 確かに「破産・倒産」は、「幸せなニュース」だとは思いません。経営者の決断は苦渋に満ちていたでしょうし、不安に思う従業員や家族も多いでしょう。でも「ブランド休止」については、その考えが揺らいできます。同じく経営者は苦しい決断を下したのでしょうし、不安に思う従業員や家族は多い。でも新しいブランドが現れる一方で古いブランドが消えるのは、業界全体の新陳代謝という点においては「むしろ健全」とも思えます。新しいブランドが現れつつ古いブランドも残り続ける、もしくは、古いブランドが残り続けるから新しいブランドが現れない業界の方が不健全です。表層的な「ブランド休止」にとらわれず、その意味や、その先、その組織、その業界と視点をマクロに広げると、次の展望が待ち遠しくなる「ブランド休止」だってあると思うんです。年をとったのでしょうか?最近、西洋・東洋を問わず、古代哲学の本ばっかり読んじゃうからかもしれません。

 そう考えると「閉店・閉鎖」に関するニュースは、もはやネガティブ一辺倒ではないでしょう。確かに、ショップスタッフの想いは計り知れません。でも人々のライフスタイルが変わり、街が変わる時代です。リアル店舗を「閉店・閉鎖」してeコマースを拡充なら、組織にとっても、消費者にとってもポジティブでさえあり得るのでは?そんな風に考えるようになって、そんな風に伝えなくては思うようになりました。

 以前もこのお手紙で同じような話をしましたが、こういうニュースこそ、社内外への丁寧な説明が必要ですね。「ネガティブなニュースだから」という理由で多くを語らないと、事実を隠そうとすると、人はますますネガティブを想像してしまうのかもしれません。丁寧に説明し、それが未来にとって必要な選択だと理解してもらえれば、ネガティブニュースはポジティブにさえ変換できる。そんな風に思っています。

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