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マッシュHDが住宅事業に参入 三井不動産レジデンシャルの賃貸マンションの内外装をデザイン

 マッシュホールディングス(HD)は8日、三井不動産グループの住宅事業における中核企業であり、新築分譲住宅・賃貸住宅事業などを展開する三井不動産レジデンシャルとの協業を発表した。同社の賃貸マンションシリーズの新物件「パークアクシス吾妻橋」(東京都墨田区、1月営業開始予定)の外観および共有部のデザイン、モデルルームの内装を、マッシュHDが19年夏に立ち上げた子会社マッシュホームズが手掛けた。同日から入居者を募集し、同月中旬には入居を開始する。マッシュHDは女性の暮らしを豊かにする「ウェルネスデザイン」の経営スローガンの下、ファッションからビューティ、フードへと事業の多角化を進めてきたが、これを皮切りに住宅事業にも本格参入する。

 「パークアクシス」シリーズは2000年スタート。自社グループで不動産開発からマンション運営まで一気通貫で手掛けるビジネスモデルで、2020年12月現在で首都圏を中心に全国約180棟、1万6000戸を展開している。今回の協業はマッシュHDが広告デザインを本業としていたころ(約20年前)までさかのぼり、当時から両者に取り引きがあったことに由来する。「(『パークアクシス』の)入居者は男性が約7割で、女性の取り込みがかねてからの課題。当社のことを知り尽くし、女性の心を捉えることに長けた近藤社長から(協業の)リクエストをいただき、『ぜひ』とお受けした」(大澤久・三井不動産レジデンシャル常務)。

 マッシュHDはこれまで社内外の700以上の店舗開発を手掛けてきたが、住環境のデザインは初となる。近藤広幸社長は住宅領域への進出の経緯について、「ファッションやビューティの事業ではお客さまから『人生が変わった』『褒められた』といったお喜びの声を聞き、とにかく女性の人生のステージをサポートしたいという思いで常々やってきた。住まいにおいても、本当に女性を幸せにするデザインが必要とされているはずだと考えた」と語る。今回の事業に至るまでに、社員の住宅サポートや賃貸サポートなどからトライアルし、アンケートを通じて理想の住まいを徹底的にヒアリングした。

 「パークアクシス吾妻橋」は地上7階建て総24戸で、平均賃料は1DKで13万円前後。都営浅草線「本所吾妻橋」駅から徒歩3 分、東京メトロ「浅草」駅から徒歩 7 分に立地し、スカイツリータウンや東京ミズマチなどの商業施設も徒歩圏内にある。「パークアクシス」シリーズは、全体的に照明を落として「ホテルライク」「スタイリッシュ」な高級感を演出することが多いが、そのコンセプトを一新。「キーワードは『ユニバーサルスペースデザイン』。心のゆとり、居心地のよさを感じられる工夫を散りばめることだ。ピンクを多用するとかそういうことではないから(笑)、第一印象として女性向けの物件とは思われないかもしれない」(近藤社長)。

 内装設計でこだわったのは、特にエントランスからエレベーターまでの共用部分。女性の暮らしに寄り添った「圧迫感を感じさせない色味」「人との快適な距離感」がポイントだ。大澤常務は現地視察した際、「(同じ土地面積の別物件と比較して)非常に広々と感じられる」と改めて感じたという。直線と曲線を織り交ぜた空間設計と、ガラスからの採光で開放感を感じられるロビー。アパレルの店舗設計のノウハウにより、間接照明を工夫して、柔らかい色味でかつ全体を明るく見せている。全体は木目調でありながら、サステナブル素材を随所に用いることで、「ほっこりしすぎずどこかトレンドを感じられるようなデザインバランス」(近藤社長)に仕上げた。また防犯性を意識し、風除室はガラス張り、密室になりやすいメールボックス置き場はオープンスペースとするなど、女性の安全にも配慮した。

 モデルルームも、雑貨やベッドリネンはマッシュグループの商品でコーディネート。さらに入居者には、同社の最上位の優良会員ランクの付与や、商品購入の割引特典を付与する。

 大澤氏は「パークアクシスのターゲット(主に20〜40代)とマッシュホールディングスの事業領域はクロスオーバーする部分も大きい」とし、「この協業でよりよい暮らし周りのサービスを提供していけるはずだ。(マンション設計の)デザイン以外の部分でもシナジーを探っていきたい」と展望を語った。

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