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パブロフスキープレジデントに聞く 新型コロナが「シャネル」に与えた影響

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 新型コロナの感染拡大の影響はラグジュアリーの女王、「シャネル(CHANEL)」にどのような影響を与えたのか?ブルーノ・パブロフスキー(Bruno Pavlovsky)=シャネル ファッション部門プレジデント兼シャネルSASプレジデントは、感染拡大後、早い段階からオープンするファッションショーの重要性について発言してきた。事実、6月にはいち早くプレ・スプリング(クルーズ)コレクションを発表している。その意図など「シャネル」のファッションがこの一年にとった選択とその成果、課題について話を聞いた。(この記事はWWDジャパン2020年12月14日号からの抜粋です)

WWDジャパン(以下、WWD):パンデミックは「シャネル」のビジネスにどのような影響を与えたか?

ブルーノ・パブロフスキー=シャネル ファッション部門プレジデント兼シャネルSASプレジデント(以下、パブロフスキー):全世界が同じ状況に置かれた初めての状況であり、正直ブランドにとっては大きな危機だった。1月の初めにはここまで深刻な状況になるとは予想もできなかった。3月半ばには世界中の200の店舗を閉め、社員には自宅待機を命じた。だがこの状況下で皆、目標のために頑張ってくれたし、ステイホーム中もブランドのエネルギーを維持することはできたと思う。6月に入ってからはコレクションの準備を始めたので顧客やサプライヤー、社員に対して、回復に向けた目標を示すことができた。

WWD:ファッションビジネスはこれまでも幾度か、危機的な状況に陥った。それらも経験しているあなたは今回の危機をどう乗り越えようと考えたのか。

パブロフスキー:私はブランドの真髄はクリエーションだと考えている。それによってこの危機を乗り切れたと思う。6月には1カ月遅れでクルーズコレクションを開催した。ヨーロッパの多くの国がロックダウン中のことであり、メディアからは“この時期に開催していいのか”という質問が寄せられたが、“イエス”と回答したし、今でもその答えは同じだ。デジタルでの発表とはなったものの、クルーズは「シャネル」にとって重要なコレクションであり、開催したことで「シャネル」自体も新たなエネルギーを得ることができた。百貨店などサプライヤーからすれば、多くのブランドがコレクションをキャンセルし(商品手配が)苦しい状況の中、私たちが先陣を切ってクルーズを発表しオーダーを受けたことで彼らの数カ月後の仕事に貢献できたと思う。このようにクリエイティブなエネルギーをコレクションを通じて展開することによって、私たちは回復した。そして11月には店頭で、お客さまに実際にクルーズの商品を見ていただけた。さらにその直後である12月3日はメティエダールも発表し、「シャネル」としては全てのコレクションを今年も展開することができた。とても重要なことだ。

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