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新常態でも成長するアウトドア市場 エディターズレター(2020年10月29日配信分)

※この記事は2020年10月29日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

新常態でも成長するアウトドア市場

 アウトドア市場に勢いがあります。屋内の密を避けて、広々とした屋外で楽しめるレジャーだからでしょう。日経新聞の報道によると、矢野経済研究所はコロナの影響を加味した2020年のアウトドア用品の市場規模を前年比4%増の2748億円と算出し、ゴルフ用品市場を初めて逆転する見通しだそうです。

 「ザ・ノース・フェイス」「モンベル」「スノーピーク」といった人気アウトドアブランドは商業施設からも引っ張りだこ。社会現象になっている「ワークマン」だってアウトドアウエアとして売れています。ホームセンター大手のコーナン商事は9月からキャンプ専門店「キャンプ・デポ」、家電量販店のビックカメラは10月から新業態「ビックアウトドア」の出店に乗り出しました。昨年、ヨドバシカメラがアウトドア専門店の石井スポーツを買収したことも記憶に新しいところです。

 スポーツ・レジャー市場は、社会の変化を如実に反映します。大人が趣味として興じるスポーツは時代とともに変わってきました。

 高度経済成長期からバブル期にかけてはゴルフとスキーです。一億総中流といわれ、マイカーが浸透した時代背景にあります。“重厚長大”スポーツと呼ばれたゴルフとスキーは用具が高価なこともあって、市場規模は大きくなりました。日本では欧米の高級ブランドのライセンスによるゴルフウエアが人気を集め、百貨店のスポーツフロアの大部分がゴルフ売り場だったりしました。ゴルフウエアが「休日のお父さんのファッション」と言われた時代ですね。

 バブル崩壊以降は、フィットネスやヨガ、ランニングが人気を集めます。経済の低迷と健康志向の高まりが背景にあります。ゴルフとスキーに比べれば、格段にお金がかからず、気軽に始められる。あちこちでスポーツジムが開業し、大規模なマラソン大会が全国に新設されるなど、環境も整いました。シニアを含めた幅広い世代が汗を流すようになりました。

 アウトドアは21世紀に入って以降、ずっと右肩上がりでした。10年前後の山ガールブームなどを経て、特に女性の裾野が広がりました。家族や仲間同士でキャンプを楽しむ人も増えています。キャンプの食事や大自然の風景のなどSNSで映える写真が撮れることも人気の理由です。またコロナ以前から機能的なウエアやバッグなどを普段使いする人は男性だけでなく、女性でも当たり前になりました。新常態でますますこの傾向が強まりそうです。

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