ファッション

大丸松坂屋が初のバーチャル店舗 屋台でローストビーフやピザを販売

 大丸松坂屋百貨店は、12月19日から2021年1月10日まで開催のバーチャルリアリティー(VR)空間上で行う世界最大級のイベント「バーチャルマーケット5」に出店する。同社がバーチャル出店するのは今回が初めて。「バーチャル大丸・松坂屋」として屋台風店舗を2店構え、年末年始向けのグルメを販売する。

 「協力会社やクリエイター達から『バーチャルマーケット』の話を聞いて興味を持った。リーズナブルな費用で出展のハードルが低かったのも魅力。取り組むことで、リアルな世界とは異なるビジネスチャンスについて知見が得られると考えた」と大丸松坂屋百貨店の田中直毅・本社営業本部事業推進室WEB事業部ギフト企画運営担当。これまであまりバーチャル空間と縁はなかったというが、協力会社とクリエイター、主催者であるHIKKYと共に準備を進めた。「VRを本格的に楽しもうと思うと、専用のゴーグルやハイスペックなPCが必要になるし、それが使いこなせなくてはいけない。つまりある程度の財力のある20〜30代にアプローチできるのではないかと期待している。実際にどんなお客さまが来店されるかフタを開けてみないと分からないが、お客さまの声を拾うのも出店目的の1つだ」。

 「バーチャルマーケット」は、VR空間上にある会場で、出展者と来場者が、アバターなどのさまざまな3Dアイテムや、リアル商品(洋服、 PCなど)を売り買いできるイベントで今回が5回目。前回は伊勢丹新宿本店が出店して、婦人靴のPB「エヌティー(NT)」やメンズブランド「ミノトール(MINOTAUR)」がアバター着せ替え用の3DCG素材を販売したり、伊勢丹のタータンチェックの紙袋の3Dデータを無料配布した。また、「ウイゴー(WEGO)」は実際のアイテムをもとにしたアバター用の衣装を販売。リモートワークでショップスタッフがアバターを操作して接客した。今回の「バーチャルマーケット5」には東宝やタカラトミー、ビームスなど70社が参加する。

 「バーチャル大丸・松坂屋」は食品8種を販売する。「衣料品はあまりに膨大すぎて選ぶのが難しかったし、幅広い層にアプローチできるのが食だと考えた。今年は新型コロナの影響で内食需要が急激に増えた。お歳暮カタログに掲載して好評だった品に決めた」。ローストビーフや彩りが人気のピザ、かに鍋、アイスクリームなど。来店客は3Dモデルの食品を手に取り、360度さまざまな角度から商品を確認し、連携するECを通じて購入することができる。数字は公表できないが、ある程度の売り上げも見込むという。加えて、大丸・松坂屋の公式マスコットキャラクター「さくらパンダ」の3Dモデルを無料配布する。

 「まだまだVR空間へのアクセスはしづらい環境だが、そう遠くない将来、メガネをかけたり、グローブをつけたりするだけで気軽に楽しめるようになると思う。次の世代の商空間として注目だ。他の企業がどんな仕掛けをしているかも楽しみだ。まずはトライして、知見を得たい」と田中WEB事業部ギフト企画運営担当は語る。

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