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「ノワール ケイ ニノミヤ」の“気持ちを高める服作り” 狂気と可憐さが共存するリボンドレス

 二宮啓が手掛ける「ノワール ケイ ニノミヤ(NOIR KEI NINOMIYA)」は10月19日、2021年春夏コレクションを東京・南青山のコム デ ギャルソン本社で発表した。同日に同会場でショーを行った「コム デ ギャルソン」と同様に9〜10月に開催されたパリ・ファッション・ウイークには参加せず、今季は東京での発表に切り替えた。

“手元にあるもので新しいものを生み出す”

 ファーストルックは、無数の黒いビーズを通したワイヤードレス。輪っか状の装飾が歩くたびに揺れ動く。その装飾はハーネスやチェーン、チュールを組み合わせて、次第に派手に、ボリューミーに、要素を増していく。

 中盤のルックからはリボンが主役になった。チュールのリボンをのせた立体的なドレスや、ファーのように無数のリボンを覆ったドレスなど、大胆に装飾を盛り込む。終盤にはピンクと白の半透明のビーズを編んだロングドレスや、ビーズがフリンジのように前に突き出すようにドレスなど華やかなピースも登場。そこには可憐さがありながらも、狂気さえも感じる力強さが共存する。

 「ノワール ケイ ニノミヤ」は、これまでレーザーカットや、生地の特殊加工などでテキスタイル開発も得意としてきたが、今回はそういった特殊な技術を用いずに手仕事に焦点を当てた。二宮デザイナーは「素材はコットンやウール、チュール、ビースなどありふれたものを使い、手元にあるもので新しいものを生み出すことを目指した」と説明する。

草木のヘッドピースで、生命のエネルギーを表現

 植物を使ったヘッドピースは、コラボレーションを継続しているフラワーアーティストの東信(あずままこと)によるもの。今季は、野山から摘んできた雑草や、草木を使用することで、生命のエネルギーを表現した。中には根っこがそのままついているものまであった。

 「今回はエネルギーを感じるもの、気持ちがポジティブになるものを意識して制作を進めた。コロナ禍でも変わらず、われわれが続けてきたモノ作りを継続していくということを示したかった」と二宮デザイナーが語るように、クリエイションへの情熱がダイレクトに伝わるショーであった。逆境に屈せず、見る人の気持ちを高めて、前に進めてくれる「ノワール ケイ ニノミヤ」の進化は止まらない。

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